沖縄県豊見城市(徳元次人市長)が、市役所向かいにある市IT産業振興センター跡地=同市上田=に「市防災型立体駐車場」(仮称)を約17億4280万円で建設する。同市議会(外間剛議長)が3月定例会で、基本設計、建物解体費など約9500万円を含む2024年度予算案を16対5の賛成多数で可決した。議会では「市の中心部であり、にぎわいのある場所づくりをするべきだ」と指摘する意見も上がった。(南部報道部・又吉健次)

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 駐車場は6階建て、延べ床面積9363平方メートル。収容台数450台、マンホールトイレや防災備蓄倉庫を整備する。26年度の利用開始を予定。同年度から40年度の15年間で約1億円の維持管理費を想定している。

IT産業振興センターは市役所旧庁舎を改築して07年に開所した。ソニーの子会社が入居したが19年に移転し、現在は資材の仮置き場になっている。

 市は跡地利用について「民間の知恵を借りよう」と公募をかけ、昨年12月の市有地利用対策委員会(委員長・大城正副市長)で、大和リース(本社・大阪市)の駐車場案を選んだ。

 駐車場案が採択された理由の一つが市役所周辺の駐車場不足だ。19年1月に市役所が同市翁長から現在地に移転してから、周辺は駐車場不足で相場が倍になったという。

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 市役所には758人が勤務。市は市役所周辺に165台分の駐車場を借り上げているが「区画整理事業による住宅建設などが促されている場所もある。いつまでも使えるわけではない」とする。職員には有料で貸し出し、市役所利用者には一定時間無料とすることも視野に入れる。

 市内の不動産業者は、市役所周辺の駐車場需要について「近隣の事業者も職員分が足りておらずニーズは一定ある」とする。

 市は駐車場完成後、隣接するJAおきなわのAコープとみえ~る店と一体となった再開発も構想する。

 市議会は「(職員駐車場との)誤解を招かないよう市民に十分な説明をし、にぎわいも含めた収益性のある施設への検討を」とする決議案を16対5で可決した。