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 那覇港管理組合が官民連携制度を導入するのは、財政の厳しい現状が背景にある。老朽化した港湾施設の修繕や維持管理費が負担になる中、「民設民営」で地域を活性化し、収益も確保して施設整備に還元させる狙いだ。一方、沖縄県内では「港湾環境整備計画制度(みなと緑地PPP)」に先行し、民間が公園施設を整備・管理する「公募設置管理制度(パークPFI)」の導入が進む。自治体からは収益を優先した運営で公共サービスの質が低下することを懸念する声も上がる。(政経部・東江郁香、中部報道部・砂川孫優)

 県内の物流を支える那覇港は、国内外の大型クルーズ船が寄港するなど県経済に欠かせない重要港湾。県、那覇市、浦添市で構成する同管理組合が管理、運営する。

 港湾を運用する費用は主に施設使用料で賄っている。他県の同規模な港湾と比較して使用料が安く、財政を圧迫している。

 仮に物流業者が利用する岸壁や物揚場の使用料を引き上げた場合、費用が物価に上乗せされることから、県民生活に影響を及ぼす恐れがある。そのため、主要施設の料金は1980年以降、据え置かれているのが現状だ。

 同組合担当者は、みなと緑地PPPの活用が財政負担の軽減につながるとした上で「港の魅力を高めながら収益を上げ、維持管理も託したい」と期待する。

 一方、県内ではパークPFIの導入を進める自治体が広がっている。

 公募で選ばれた企業などが...