プロバスケットボールBリーグ西地区1位の琉球ゴールデンキングスは20日、沖縄アリーナで第22戦を行い、同4位の長崎ヴェルカに74-76で敗れた。今季の通算成績は17勝5敗。

 キングスは第1クオーター(Q)、今村佳太がドライブで切り込み点を奪った。守備でもゾーンディフェンスで相手の攻撃を防ぎ、17-13。第2Qは点が入らない時間帯もあった。だが、守備からリズムをつくって徐々に点を伸ばした。前半を33-37で折り返した。

 第3Qは、開始早々に植松義也、ヴィック・ローが連続得点し、勝ち越した。さらに小野寺祥太の3点弾などで加点し、57-47。だが第4Qに相手の猛攻を受けて追いつかれ、残り1分を切って連続3点弾を浴び、逆転を許した。

 長崎ヴェルカの狩俣昌也=宮古島市出身=はガードとして26分54秒プレー。チームの攻撃をコントロールし、3アシストを記録した。

 キングスの次戦は23日、群馬県のオープンハウスアリーナ太田で群馬クレインサンダーズと戦う。(沖縄アリーナ、8016人)

長崎   76 13-17 74 琉球

13勝9敗   24-16    17勝5敗

        10-24

        29-17

[焦点]

植松 次戦につながる奮闘

 キングスにまた苦難が訪れた。開幕前にけがで離脱した選手たちが戻って来たが、この日の長崎との試合は、ジャック・クーリー、アレン・ダーラム、渡邉飛勇、カール・タマヨが欠場。12人まで登録できるロスターは9人で、外国籍選手はヴィック・ローだけだった。

 クーリーやダーラムの強さを生かしたリバウンドが武器の一つだっただけに、外国籍選手1人は大きな痛手。緊急事態に奮起したのがローとともにゴール下を任された植松義也だ。

 身長190センチと大きくはないが、リバウンドでは2メートル超えの相手外国籍選手に負けじと体を張った。攻撃でも2本の3点弾を決めるなど10点を奪った。

 今季練習生から契約を勝ち取ったが、タレントのそろうチームで出場機会に恵まれなかった。それだけに今日の試合はチャンスだった。「いつかチャンスが来ると思って準備していた。全部出し切ろうと思った」との思いで臨んだ。34分30秒プレーし、10得点はキャリアハイだった。

 桶谷大HCも「長い時間出て、仕事をしてくれた。勝ち負け以上に価値のある活躍だった」とたたえた。植松は「力を出せたが、勝てなかった。次は勝ちにつなげられるようにしたい」とさらなる成長を誓った。(比嘉大熙)

負けたのは僕の責任

 桶谷大HCの話 選手たちはけが人が多い状況でよく頑張ってくれた。9人で戦い、終盤まで勝っていたので勝たせてあげたかった。ここまできたら僕の責任。相手は粘り強く、最後まで諦めずプレーしていた。泥臭いこともして、土俵際に強いチームだった。

もっと成長したい

 長崎ヴェルカの前田健滋朗HCの話 沖縄アリーナは最高の環境で、試合ができて良かった。キングスはけが人が多い中、王者の強さを見せつけられた。我々も我慢強く戦い、最後に逆転できた。チーム力では、まだキングスに及ばないのでもっと成長したい。

(写図説明)キングス-長崎 第2Q、キングスの植松義也が相手ボールを奪う=沖縄アリーナ(名護大輝撮影)

(写図説明)西地区勝敗表(20日現在)

(写図説明)スタッツ