【相談内容】県外大手居酒屋チェーン店を沖縄で40年運営した後に独立開業。順調だった経営はコロナ禍で閉店も考えた。給付金などの活用のほか考えられる全てのことをやり、めどは立てたが、昨今の食材費高騰でメニューに悩んでいる。

◆企業名

 有限会社丸高商事

◆業種

 飲食業

◆所在地

 那覇市

◆資本金

 300万円

◆創業

 1972年

◆従業員

 36人

 【回答】居酒屋琉球王として12年前に独立した。那覇市古波蔵店は180席で沖縄市美里店は160席ある。常連客が多い繁盛店で知られているが、約半数は座敷席。団体、グループ客に使われるのは強みだが、コロナ禍では弱みになった。不安定な経営が続き給付金や支援金以外にも公庫、セーフティーネットからも借り入れたが十分とはいえず、創業者の父の役員報酬も全てカットした。現代表の2代目〓良正行社長にとってつらい判断だった。

 何とかキャッシュフローは安定し、継続安定を考え古波蔵店の席数を減らすことを提案したが、まだ実現していない。家賃交渉では苦労したものの30%減額となり、客足も徐々に戻り好転の兆しと思えた。

 しかし昨年9月ごろから食材費が上がり始めた。メニュー全てのFL(食材原価と人件費)の売上高に対する比率をチェックしてもらい、少しでも無駄な食材になるメニューを減らし、調理場の効率化を考えメニュー数を減らすなど繁忙期の年末に模索し続けた。同時に人材不足の課題に直面した。コロナ禍の下、調理場、ホールとも人員を減らしたため調理ができない、注文が取れない状況になりつつあった。

 年明けに全品10%値上げし、売れ筋メニューに集中できるようにした。常連客は値上げを受けとめ、理解してくれたように見えた。客単価は上がり3千円を超えた。求人は店の前の立て看板が最も効果を発揮し、ネパール人がホール、調理場で戦力になっている。

 借り入れ返済は公庫のみで、もう一つは完済。少し間を置いて今後の目標を上げた。席数は少なく客単価の高い店舗展開をしたいとの目的があるので、県内各地の人口、購買力や競合店の有無がわかる市場統計分析の「MieNa(ミーナ)」の活用をすすめていきたい。問い合わせは琉球王古波蔵店098(853)7470、美里店098(934)9592。(県よろず支援拠点コーディネーター・嘉数純)

 ※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。ご相談は、電話098(851)8460のよろず支援拠点、またはお近くの商工会へお問い合わせください。

※(注=〓は高の旧字体)

(写図説明)丸高商事が運営する琉球王