夏の観光シーズンが近づき、沖縄旅行の計画を立てている人も多いのではないだろうか。沖縄といえば青い海。カラフルな熱帯魚が泳ぐサンゴの海を満喫できるマリンレジャーの一つが、シュノーケリングだ。手軽に楽しめるとのイメージが強く人気な一方、毎年、シュノーケリング中の水難事故で亡くなる観光客は後を絶たない。どんな危険が潜んでいるのか? 安全に楽しむために、やってはいけないことは? 海上保安庁や、マリンレジャー業者に聞いた。(デジタル編集部・新里健)
マリンレジャーの季節の5月〜10月に沖縄県内で水難事故に遭った人数は、2018年〜22年の5年間で計302人に上る。このうち、シュノーケリング中は最多の32%を占める。
シュノーケリング中に死亡した人数の内訳を見ると、県民に比べて観光客の多さが際立つ。
「飲酒して海に入ってはいけない」という常識は、多くの人が聞き覚えがあるだろう。
では、二日酔いなら平気なのだろうか。県内を管轄する第11管区海上保安本部に尋ねると、「ダメです」と即答された。
二日酔いだと正確な状況判断ができない上、心拍数が上がる。シュノーケリングはスポーツと同様、多くの呼吸量と強い呼吸力が要るため、息が上がって体が脱水状態になりやすい。脱水状態になると足の筋肉がつってパニックになり、海水を誤飲するリスクも高まる。同様の理由で、風邪をひいてせきをしている時も、シュノーケリングは避けたほうがいいという。
シュノーケリング中も、熱中症のリスクがある。後頭部や首、肌に沖縄の強い日差しが当たるからだ。11管によると、陸上にいる時に比べて、海中ではのどの乾きを感じにくく、...