[新春 TOP INTERVIEW 2023]

 -貴社と沖縄の関わりは。    

 1974年5月15日に前身の一つである住友海上火災および大正海上火災が沖縄支店を開設しています。沖縄は地元の保険会社がある唯一の県です。地元の方が地元の会社を応援する気持ちを尊重しながら、全国展開するわれわれが利便性を提供できる部分を理解していただき、より近く感じていただきたいと意識しています。ちょうど2022年4月から各県の支店が主体的に地域・マーケットの課題を把握し、スピーディーな対応を行うための組織変更が行われました。地域プロモーションも大変重要な役割です。沖縄に思いを寄せてもらう取り組みとして復帰50年に合わせて本社の会長・社長や多くの社員と代理店の方にかりゆしウエアを600着贈り着ていただきました。

 -コロナ禍の影響は。      

 一般的に損害保険会社の取り扱いの半分は自動車保険です。交通事故はコロナの流行期には激減し、行動規制緩和で人の動きが多くなれば増えて、コロナ前より10%多くなっています。コロナ前の発売ですが、ドライブレコーダー付き自動車保険があります。レコーダーが振動を検知してお客さまに呼び掛け、返事がなければ事故と判断して保険会社が救急車を要請することもできます。これまでは事故を報告いただいてからの対応で一番必要なときに寄り添えない悩ましさがありましたが、技術革新でクリアできました。

 -社会貢献について。      

 うるま市教委と部活動の外部指導者の認証制度で協定を結びました。全国初の協定です。運動部活動の地域移行にむけ「部活動指導者の確保と、部活動の安全安心の担保」に焦点を当てたサービスをご提供します。リスクマネジメントの知見を生かし、eラーニングで指導者に学んでいただくことで知識習得と認証制度を確立し、生徒および保護者に安心と安全を提供します。

 また当社には五輪選手をはじめ多くのアスリートが所属しており、彼らの経験とデータを掛け合わせることでさらなる地域貢献を目指していきます。技術革新によって、従来は内部向けだったデータが保険の範疇(はんちゅう)を超えて活用できるようになっています。

 -23年に力を入れたいことは。  

 自治体との連携を強めたいと考えています。21年に持続的な発展を目指した包括的連携協定を沖縄県と結びましたが、具体的なところはこれからです。例えば、先ほどのドライブレコーダーで言うと、道路が壊れた箇所も分かります。事故が起こりやすい場所のデータを提供して事故を未然に防ぐ対策に役立てることもできます。沖縄県は人口が増えていてポテンシャルがあります。沖縄県が新しいことをしようとするときに「リスクソリューションプラットフォーマー」として制度設計に参画させていただきたいと考えています。リスクを測り、軽減し、損失が出たときはゼロに戻してもう一度挑戦できる。そんな保険会社にしかできない役割で三井住友海上を選んでいただけるようになりたいと考えています。 なかの・のぼる 1970年生まれ、大阪府出身。同志社大学卒。94年入社。東京、滋賀、横浜、名古屋地域で営業一筋。長崎にてグループ会社社長を経て2021年から現職。

Personal Question

(1)新入社員に薦めたい本や映画(2)思い出に残る旅(3)沖縄の持つ魅力・好きなところ

Answer

(1)前野隆司・前野マドカ著「ウェルビーイング」 (2)ロンドンのバスツアーで始まった欧州一周の旅 (3)受け入れてくれる文化。NAHAマラソンでも感動した