映画「男はつらいよ」のテーマ曲作曲やテレビの音楽番組「オーケストラがやって来た」(TBS系)の司会・指揮で人気を集めた音楽家、山本直純さん(1932~2002年)の生誕90周年記念公演が23日、東京・晴海の第一生命ホールで開かれる。

 企画・指揮は次男で指揮者の祐ノ介。大衆に音楽の楽しさを伝え続けた直純さんさながら「皆さんが明るい気持ちになれる公演にしたい」と話す。

 公演タイトルは「ゆうのすけのオーケストラがやって来た」。直純さんの音楽や公演を聴いて育ち「一ファンだった」。直純さんが作った映画・テレビの音楽や愛奏していたクラシックの名曲を選曲、「おやじならこういう演奏をするだろうな、という演奏をしたい。それは僕のしたいことに通じる」とほほ笑む。

 父から受け継いだのは「音楽は聴衆のもの」という精神だ。晩年、直純さんの代役で公演を指揮した時のこと、「どうだった?」と聞かれ「うまくいったと思う」と報告すると、「おまえのことじゃない。お客さんが喜んだかどうかだ」と叱られたという。

 記念公演は昼夜2回。直純さんのトレードマークだった赤いタキシード姿でタクトを振る。「直純スピリッツをいま一度、思い出してもらえたらうれしい」(共同通信)