阿部寛、織田裕二、反町隆史、竹野内豊、坂口健太郎、成田凌、宮沢氷魚…俳優として活躍する彼らは、ファッション雑誌「MEN'S NON-NO(メンズノンノ)」のモデル出身です。そんな伝統ある雑誌の専属モデルオーディションで10月、糸満市の中塚凌空(なかつか・りく)さん(19)が新モデルの一人に選ばれ、12月号でデビューしました。朝ドラ「ちむどんどん」にもエキストラとして出演し、糸満高校の先輩、黒島結菜さんに刺激を受けたと話します。中塚さんの素顔とは。

ーメンズノンノモデルを目指したきっかけは

「メンズノンノを知ったのは、高校2年の時です。スナップ写真でかっこいいなと思った皆さんが、メンズノンノの専属モデルでした。こんな風になりたい、という憧れを抱いて、高3の時に初めてモデルに応募しました。でも、書類選考で落ちましたね。一発で受かるだろうって謎の自信があったんですけど(笑)。そんなに簡単ではなかった。落ちたことで、より熱意が湧きましたね」ー諦めなかった理由は

「何としても達成したい目標が、メンズノンノのモデルになるということだったからに尽きます。幼稚園の頃、俳優をやっていた母の弟が白血病で亡くなって、そこから芸能という世界に対して興味はありつつも、アドバイスをくれる環境もないし、周りに目指している人もいなくて、目標とするにはほど遠かったかな。ただ、メンズノンノに出合ってから、この道で頑張りたいと思いました。落ちたら目標もないし、どうやって生きていこうか。何をするにも落ちたらどうしよう、受かったら最高なんだろうなということが巡っていました」

ー再挑戦。何をやり始めましたか

「とにかく落ちた理由を考えて、分析しましたね。履歴書も埋め尽くすほど書けていなかったので、熱意が伝わらなかったのかもしれません。それから体重です。メンズノンノのモデルさんは、身長180センチ、体重は62〜3キロくらいが多いんですが、僕は180センチで70キロもありました。体つきも違うなと思って、まずはダイエット。近所の市民プールに通ったり、ジムのランニングマシンで汗を流したりして7キロ近くやせました。マシンの前にはスマホを置いて、メンズノンノのオーディションでファイナリストの人たちが合格する動画を見ながら『ここに立つぞ』という思いで走っていましたね」

中塚凌空さん=那覇市久茂地のタイムスビル(古謝克公撮影)
中塚凌空さん=那覇市久茂地のタイムスビル(古謝克公撮影)

「食生活にも気をつけました。スイーツが好きなので、糖質を抑えて、オートミールやおからパウダーを使った料理を自分で作るようになりました。甘味料もラカントでカバー。好きなタピオカも『こんにゃくタピオカ』を取り寄せて、ストレスをためないようにしていました」

ー体型づくりを頑張られたんですね。ほかにも工夫されたことはありますか

「自己PRのための30秒動画を3本制作する必要がありました。テーマは得意なこと、ファッションコーデ、美容の3つです。そこでは他の参加者との差別化と、自分がどう見られるか、面白く見てもらえるにはどうしたらいいかという視点を大事にしました」

「『得意なこと』は、バスケットボールのスリーポイントシュート。『ファッションコーデ』は、夏の暑い時期でしたけど、モデルさんは夏に冬の服を着る必要があるので四季を意識しましたね。『美容』は、美容液などの化粧品の紹介に加えて、食にもフォーカスして、他の誰も紹介しないであろう、沖縄ならではのドラゴンフルーツもプレゼンしました。結果、一位。大号泣でした」

ーオーディションでのインタビューやインスタを拝見するとアパレルブランド「LIWILO(リウィロ)」も立ち上げ...