写真

解説

自然との調和を図り、人々が集まる文化拠点としての未来図書館

仙台市北部、泉パークタウンの中央部に計画された新しい宮城県図書館は、緑の中に銀色の宇宙船が降り立ったかのようなデザインになっている。近くには県立宮城大学大和キャンパスが整備され、図書館と合わせて市の新しい文化の中心の一つとなることが期待されている。旧図書館の約3倍の規模で、書庫収蔵能力は約160万冊である。

周辺の森林の伐採を極力抑え、敷地内の自然を最大限活かすという設計計画により、谷間に架かる橋のような構造になっている。敷地全体を一つの公園と考え、あらゆる人々を迎え入れる「公園としての図書館」という設計思想から、館内に展示室やホールなどの文化センター的な機能を持たせている。

3階の開架閲覧室は、長さ200mの直線的モール遊歩道形式を採用し、すべての図書が直線上に配置されることで利用者が求める本を探しやすくなっている。将来の蔵書増加に伴う書庫の増築についても、建物北側の駐車場の上部にピロティ形式で増築可能な設計になっている。文化センター的な機能として、2階を中心に、多目的ホール、ミニシアター、地形広場、生涯学習室なども設置されている。

1998年3月の開館後、1日の平均入館者数は旧図書館の6.5倍、1日平均個人貸出冊数は11.4倍に増加し、市民による生涯学習的な活動も盛んに実施されている。

技術紹介へのリンク

地図