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「大きすぎる」関羽像解体 中国、大きすぎる55億円の「無駄遣い」

 【北京・坂本信博】中国湖北省荊州市で、三国志の人気武将、関羽の「大きすぎる」銅像の解体・移設工事が始まった。高さ57・3メートル。市当局が巨費を投じて建設し、世界最大級の関羽像と呼ばれて観光客に人気だったが、24メートル以下の高さ規制がある史跡保護区内にあり、違法建築物と指摘されていた。中国メディアによると、解体・移設費は建設費とほぼ同額の1億5500万元(約26億4千万円)に上り、中国共産党中央が「公費の無駄遣い」と批判する事態になっている。

 荊州は、三国時代に魏、呉、蜀の軍勢が戦いを繰り広げた要衝。中国でも根強い人気の関羽にもゆかりが深く、荊州の古城などさまざまな史跡が残る。

 市政府などによると、関羽像は青銅製で重さ1200トン超。建設費は1億7290万元(約29億4千万円)だった。建築物の高さ規制がある「古城歴史地区」に2016年に建てられた際、建設業者が台座部分の展示施設(2階建て)の高さだけを申請。市側も当時は「関羽像部分は立像で、明確な規制はないという解釈だった」(関係者)が、昨年10月に中国政府が違法建築物と指摘し、市政府が解体・移設を決めていた。

 今月から始まった解体工事は2カ月ほどかかる予定で、市郊外にある三国時代の史跡の一つ、点将台に移設する計画という。建設から解体・移設まで総額約3億2800万元(約55億円)もの公費が消えることになり、中国共産党の中央規律検査委員会は6日、「巨大像の教訓は深刻だ」と批判した。

 中国で関羽は「商売の神様」とされており、各地に関帝廟(びょう)があるほか、出身地の山西省運城市には高さ61メートルの巨大な関羽像がある。

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