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島原の乱ゆかりの地で得た感覚 小池徹平さん

 山田風太郎原作で堤幸彦さんが演出する「魔界転生」が4月16~28日、博多座福岡市)で上演されます。初演から約2年ぶりの再演ですが「派手な演出でほぼ新作に近い」(堤さん)とのこと。新たに天草四郎を演じるのが小池徹平さん。島原の乱ゆかりの地を見学したばかりの小池さんに、舞台への意気込みを尋ねました。

 -オファーを受けたときはどう感じましたか。

 ★小池 天草四郎は有名な人物ですし、もちろん作品は以前から知っていて、人気のキャラクターで、演じた方も(他作品の)上川隆也さんや(映画の)沢田研二さん。この役をやらせてもらえる喜びはすごく大きかったですね。

 -演出の堤幸彦さんとの仕事は初めてだそうですね。

 ★小池 堤さんの作品は子どもの頃からずっと見ていました。テレビドラマ「池袋ウエストゲートパーク」も面白かったし、映画「20世紀少年」も漫画が好きで、堤さんが面白く映画を手掛けていました。大ベテランの方なので、ようやくこういう機会があるのは、運命というか、やりたかったです。実際にお会いし、優しいけれどいたずら心があって面白い人なんです。いろんなことに詳しいし。今回、堤さんが演出で新しくチャレンジする試みはすごいなと思いますね。それに応えられる役者でありたいです。

 -原城跡(長崎県南島原市)など島原の乱ゆかりの地を見学されたそうですね。

 ★小池 約380年前に起きた同じ場所に立つのは不思議な感覚でした。天草四郎が見たであろう景色を見て、風とか日の当たり方とかも感じ、天草四郎と少しつながった気がしました。説明を受け、今も骨が出てくるそうで、当時はどんな思いで戦ったんだろうかと考えました。実際に肌で感じた部分を、よりリアルに観客の皆さんに伝えられたら、と思います。

 -天草四郎という人物をどう解釈していますか。

 ★小池 今回思ったのは、すごく純粋で、幼いですが、ミステリアスな魅力があるんだろうな、と。純粋な部分と(魔界転生で)悪に染まった部分をつくり上げていきたい。

 -役にはまっていますね。

 ★小池 ポスター撮影の段階で重みもずっしり感じています。あとは堤さんのマジックで。空中に浮かぶフライングも初めてですが、そう恐怖は感じてなくて、早く慣れたいです。

 -今回は歌がないお芝居です。

 ★小池 これまでミュージカル作品ばかりで、歌の稽古がないのは新鮮です。未知のものを体験できる高揚感があり、より芝居に集中できます。

 -博多座ではたびたび舞台に立っています。

 ★小池 博多座はご縁があって何度も来ています。博多座は音響が良く、舞台袖も広くて、客席との距離もいい具合です。お客さん皆さんが温かく、反応がいいですね、今回は短い期間ですが、本当にこの作品に懸ける思いが強くなっています。楽しみです。

 -福岡の街はどうですか。

 ★小池 博多座での芝居の合間に街に出ますが、ちょっと歩けば海があって。ここで少し生活するので、環境がいいのがうれしいです。すてきな街です。

 -今回の公演は、博多座の前に愛知県刈谷市、福岡の後は東京、大阪と、6月までの長丁場になります。

 ★小池 東京は普段通りですが、家を離れたときにどう元気を養っていくかですね。食事や体調管理に気を付けます。でも、それぞれの場所で別の楽しみを見つけ、新しいものに触れるきっかけにしたいなと思いますね。

 (文・根井輝雄、写真・軸丸雅訓)

 ▼こいけ・てっぺい 1986年1月5日生まれ、大阪府出身。2002年、ドラマ「天体観測」で俳優デビュー。「ごくせん(第2シリーズ)」「あまちゃん」など映画やドラマに幅広く出演。演劇では、12年に「シダの群れ 純情巡礼編」で初舞台を踏み、その後も出演多数。16年度の菊田一夫演劇賞を受賞。

 ▼魔界転生 4月16~28日、博多座(福岡市)。柳生十兵衛役は上川隆也。ほかに浅野ゆう子、藤原紀香、松平健など豪華俳優陣が出演。昼の部は午前11時から、夜の部は午後4時半から(16日は夜のみ。19、23、26、28日は昼のみ。21日は休演)。A席1万4500円、B席1万円、C席6500円。チケット発売は3月13日午前10時から。博多座電話予約センター=092(263)5555。

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