logo

北九州市議、任期中の質問回数は? 平均7.1回、ゼロも3人

 北九州市議選(22日告示、31日投開票)を間近に控え、現職の議員が任期中の4年間の本会議で質問した回数を調べた。任期中に死亡した1人を除く56人の平均が7・1回で、最多は17回。ゼロは3人いた。回数だけで評価できるわけではないが、少なくとも議会という公の場で質問することは、行政をチェックしたり市民の要望を実現したりすることにつながる。あなたのまちの議員は何回質問している?

 質問の回数は、市議会ホームページに公表されている一般質問や代表者質疑などの発言通告や会議録検索で調査。各委員会での発言は含まれていない。市議会事務局によると、質問(質疑)の時間は、所属議員の人数に応じて会派に配分。「1人会派」の議員は年間90分になる。

 1人会派の村上聡子氏は最多の17回質問。「自分の元に届いた小さな問題を可視化させるため、毎回登壇するようにしている。『この人誰だろう?』と思ってもらうのも大事」という。

 一方、質問ゼロだった佐々木健五氏(自民)、香月耕治氏(自民の会)はいずれも「議会以外の場で市長や上層部と調整し、政策実現の根幹に触れることをやっている」と口をそろえる。政策実現にはいわゆる「根回し」が必要なのは分かる。両氏ともに「質問は若手議員に譲っている」という。

 同じく質問ゼロだった渡辺均氏(自民の会)は「やりたいことは全て達成しているので(本会議で)言うことはなく、代わりに委員会で発言している」と強調。政権与党の自由民主党の地方議員として、「財源が厳しい中、国といかに交渉して予算を引っ張ってくるかの方が重要だ」と言い切る。

 とはいえ、そのほかの議員たちに話を聞くと「議員たるもの質問があって当然。当選回数や政党は関係ない」などと厳しい声が多い。

 公明党は議員ごとの発言回数に大きな差がでないよう順番に回しているという。

 共産党は「割り当てられた時間は100%消費する」と議会論戦を重視。「市民の要求を実現するには、何度も繰り返し質問し、与党も巻き込むほどの世論に育てることが重要」という野党ならではの事情がうかがえた。

 議会答弁の作成業務にかかわる市職員は「答弁は議事録にずっと残るので、その場で言質を取られれば市としても実行せざるを得ない。やりとりは慎重になる」という。議会前には市長や市幹部が集まって答弁を煮詰める会議をしているそうだ。

 質問の回数だけが議員の仕事ぶりを決める指標ではない。とはいえ、ほとんどの市民は常日頃から議員と親しくしている訳ではなく、報道やインターネット中継で公開される議会での様子は、議員の人柄や市政への思いを見る貴重な機会になることは間違いない。 (壇知里、姫野一陽)

行政監視に重要 自己満足な質問には注意

 九州産業大・宗像優教授(地方自治論)の話 議員の役割には政策立案と行政監視の2本柱がある。議会での質問・質疑は後者に効果的で、会派や当選回数に関わらず行うべきだ。政策立案のために議場外で動いているだけでは、議員の職務を果たしたとは言いがたい。

 とはいえ、質問回数が多ければいいという訳ではない。議会は報道されたりインターネット中継されたりするので、自身を印象づけようとスタンドプレー的な自己満足の質問の仕方をする議員もいる。有権者は、質問の中身や影響力、方法なども含めて議員を評価する判断材料としてほしい。

sponsored by 求人ボックス
西日本新聞me

福岡ニュースランキングを
メールで受け取る(無料)

「みんな何を読んでるの?」毎日17時に
ニュースTOP10をお届け。 利用規約を確認

福岡県の天気予報

西日本新聞me

福岡ニュースランキングを
メールで受け取る(無料)

「みんな何を読んでるの?」毎日17時に
ニュースTOP10をお届け。 利用規約を確認

PR

福岡のアクセスランキング

PR