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【こども記者だより】「大先輩」夢野久作に注目 尾崎 亜実特派員/英語教育、もっとディベートを 川瀬 光生記者

 ●「大先輩」夢野久作に注目 福岡市・福岡女学院中3年 尾崎 亜実特派員

 福岡市出身の「文豪」は誰かと聞かれたら、夢野久作(本名・杉山泰道、1889~1936)と答えてほしい。なぜなら今、太宰治や江戸川乱歩など有名作家の名前を持つ超能力者が活躍する漫画やアニメで人気の「文豪ストレイドッグス」の登場人物の一人として、あらためて注目されているからだ。

 作品の中での久作は、通称「Q」と呼ばれる少年だが、人間を錯乱させる能力「ドグラ・マグラ」の使い手として恐れられる存在だ。アニメをきっかけに久作の実像に興味がわき、研究書「夢野久作の場所」の著者で元西日本新聞社文化部長の山本巌さん(76)を取材した。

 山本さんによると、久作は西日本新聞の前身である九州日報の記者だった。紙面に童話を書いたり、同紙が主催する子どもを対象にした絵画コンクールの選者もしていた。1923年、関東大震災が発生。取材で久作は壊滅した現地を目にし、文明のもろさを思い知らされる。そして震災による人間や社会の価値観の大きな揺らぎを記事にし「東京人の堕落時代」として本にまとめた。山本さんは「現代のドキュメンタリー文学の先駆けとも言える内容で、作家・夢野久作の出発点」と話した。

 久作の集大成である「ドグラ・マグラ」は原稿用紙千枚以上の大作で読み終えるのが難しい「迷宮」ともいわれているそうだ。山本さんは「中学、高校生には大人のような先入観がないから、案外読みやすいかもしれない」と一読を勧めてくれた。本には、人間の精神は複雑怪奇だという久作の考え方が練り込まれていて、興味をかき立てられた。

 「ドグラ・マグラ」をはじめ「少女地獄」「いなか、の、じけん」など久作の作品には福岡を舞台にしたものが多くあり、やはり地元の風土が生んだ「文豪」だと感じた。夢野久作という人が、私たちこども記者、こども特派員の「大先輩」であったことを知り、さらに親しみを感じた。

【紙面PDF】こども記者だより

 ●英語教育、もっとディベートを 福岡県朝倉市・甘木中3年 川瀬 光生記者

 「英語を話せますか」と聞かれて、「はい」と答えられる日本人はどれくらいいるだろうか。そういう自分も、英語は「超」が付くほどの苦手科目。なぜ日本人は英語ができないのか。理由を知りたくて3月14日、福岡県朝倉市のそば店で開かれた講座「第5回英語でしゃべらNight in 黒川」に参加した。

 店を経営する笹栗浩明さん(56)は高校卒業後、働きながらオーストラリアの大学に留学し、同国の永住権を取得。7カ国のホテルに勤務し航空会社の機内食開発も手掛けた。自分の体験を地域に生かしたいと、英会話の楽しさを紹介する講座を企画している。

 この日は21人が参加。笹栗さんは「学校での英語の成績が良くても海外では通用しないこともある。むしろ成績が良い人ほど話せないことが多い」と話し、日本流の発音に固執するあまり本当の英語が聞き取れず、会話が成り立たないなど現在の英語教育の問題点を指摘。笹栗さんは「英語でのディベート(討論)などを積極的に授業に取り入れるべきだ」と提案した。

 笹栗さんの話を聞いて思った。自分も今の英語の成績を悲観することはない。英語はコミュニケーションの道具で、これからは話すことを意識して勉強すればいいのだと気付き、少し肩の力が抜けた。

【紙面PDF】こども記者だより


=2017/04/26付 西日本新聞朝刊=

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