350年変わらぬ手作り博多伝統スイーツ 「元祖鶏卵素麺 松屋」途絶の危機乗り越え
福岡市博多区綱場町の一角。旧博多町名の「中間(なかま)町」を示す石碑に「名物鶏卵素麺(けいらんそうめん)発生の町」と刻まれている。同町が銘菓の発祥地だと分かる碑文だ。
鶏卵素麺は鶏卵と砂糖を使ってそうめん状に仕上げた和菓子。安土桃山時代に長崎の平戸に伝わり、卵の糸を意味する「フィオス・デ・オボス」と呼ばれた南蛮菓子を起源とし、ポルトガルでは現在も結婚式やクリスマスを祝う菓子として親しまれている。
福岡では、黒田藩御用商人の手代だった初代の松屋利右衛門が長崎で製法を学び、1673(延宝元)年に中間町で創業したのが始まり。...