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熊本地下水 コメ支援でつくる 商品購入で「涵養」と評価 半導体工場の取水増迫る

 コメ農家を支援することで熊本の地下水保全につなげようと、地元団体が水田で栽培されたコメや、飼料米で育った肉牛などをブランド化して消費を促す事業に取り組んでいる。台湾積体電路製造(TSMC)を中核とする半導体工場の集積によって、製造工程で必要な地下水の取水増が今後見込まれる。営農に結びついた循環型水サイクルの構築が急がれるが、現場では農家のなり手不足など積年の課題が横たわる。

 阿蘇山を望む白川中流域は6月、見渡す限り水を張った田んぼが広がっていた。同流域にある「おおきく土地改良区」(熊本県大津町)の冨田典男事務局長は「うちの管内での(地下に水を戻す)涵養事業は正直もう難しい。土地が足りないから」と明かした。

 阿蘇山の火山灰を土壌に含む同流域は、水の浸透量が他地域の5~10倍とも言われ、地下水を蓄えて育む涵養を効率よく進めることができる。具体的には、米の栽培時期ではない水田に水を張って浸透させるなどの手法が採られる。

 豊富な地下水資源もあって進出してきた半導体生産のソニーセミコンダクタマニュファクチャリングや、富士フイルムなどの企業は、農家と協力して涵養事業に取り組んできた。しかし、ある担当者は「取水量と同じだけ涵養したいが土地が少なく、企業同士で取り合いになっている」と明かした。...

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