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【スターのミカタ】「こんな大役」福岡を離れ3年、井上芳雄が歩み始めた「プリンス」の道

福岡スタア倶楽部​​​​​ー2000(平成12)年9月1日 西日本新聞ー

 帝国劇場で上演された東宝ミュージカル「エリザベート」の皇太子・ルドルフ役で一躍注目を集めた。劇場に通う地下鉄千代田線日比谷駅から楽屋までの通路はファンで埋まり〝プリンスロード〟の愛称がついた。

 ミュージカルは初出演の東京芸大声楽科3年生。演出を担当する小池修一郎さんの講義を受け、その勧めで東宝のオーディションに応募したのが出演のきっかけ。

 「もともとミュージカルはやりたかったけど、千人もの応募者から選ばれた上に、こんな大役をもらうなんて思ってもいなかった」そうだ。

 ルドルフは、主人公・オーストリア皇后エリザベートの長男。母から引き離され、皇太后の下で育てられた。成長するにしたがい父の皇帝と対立するようになる。いわばエリザベートの陰を象徴する難しい役回りだ。

 「小池先生の助言で今年の春休みを利用してオランダの〝エリザベート〟を観劇。舞台となったウィーンにも足を運びました。実在の人物なので史実も押さえておきたかった」

 福岡市早良区南庄出身で西南学院高校卒業。父は井上哲雄西南学院大教授(児童心理学)。

 「エリザベート」は来年、あらためて帝国劇場を皮切りに名古屋・中日劇場、大阪・梅田コマ劇場、福岡市の博多座を巡演する。「学校を休みがちになっているが、なんとしても卒業はしたい」と話した。

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 「福岡スタア倶楽部」は、創刊140年を超える西日本新聞のデータベースを掘り起こし、福岡ゆかりの芸能人の懐かしいお宝記事を紹介します。紙面掲載した記事を当時のまま再現しており、内容は取材時点のものです。

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