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【スターのミカタ】みんな愛情を求めている 福岡の中学時代、家入レオが知った「真実」

福岡スタア倶楽部​​​​​ー2012(平成24)年2月19日 西日本新聞ー

 ―歌声が伸びる。安定感もある。良い声です。デビュー曲『サブリナ』は15歳の時、作ったそうですね。

 家入 中学時代、どうにも素直になれない思春期特有の疑問や、先生への不信感とか、いろいろな感情が私の中にあったんです。いつもぎりぎりで葛藤していて、その気持ちを吐き出さないとやってられないと、詩をノートに書きつづっていました。ある時、いろんな子とメール交換している、派手で明るい子に(なぜか)聞くと、寂しいから、と言う。衝撃でした。みんな不安で、それを気づかれたくないと思うけど、本当は気づいてほしい。私だけじゃない、みんな愛情を求めているんだ、と(強く感じて)書いた詩です。

 ―同世代の思いを歌に託したわけだ。♪いつだって いつだって 本当の愛を求めて♪ というさびは印象的。♪偽りの町に真実は似合わない♪ とか、尖った言葉もある。

 家入 学校ではあの子は強いとか、権限がないとか、(序列が)あって、嫌だった。でも(現実的処世で)低く見られたくないと思う自分もいる。笑いを取ろうとする自分が嫌だった。うそを重ねるというか、(自他ともに)偽りを感じるんだけど、口に出すと孤立しちゃう。何言っちゃってんの、って。

 ―先生たちへの不信感とは?

 家入 中学時代は本当に毎日が精いっぱいだったんですけど、今どうするかで人生が変わるとか、いつも言われていた。その言葉がすごく怖かった。でも、何のために勉強するのか、とか先生に(正面から)質問すると、目をそらされた。

 ―尾崎豊という歌手を知ってる? 約20年前、10代の葛藤を歌った。感覚が似てる感じ。

 家入 尾崎豊さんの『15の夜』を初めて聴いた時は涙が止まらなくなって。自分の言葉では表現できなかったものを、リアルにうそをつかずに表現してくれていて。あっ、私も(楽曲を)書こうと思った。他に好きな歌手ですか、ビートルズが好きですし、アブリル・ラヴィーンも好き。

 ―「音楽塾ヴォイス」(福岡市)を訪ねた時、「ところで、あなたは一体わたしに何を教えてくれる人なんですか」と言ったとか。

 家入 あーっ、失礼ですよね(笑)。ドンドンと扉を叩いて。あの頃、大人に対して攻撃的な気持ちになっていた。学校の先生ともうまくいってなくて(笑)。

 ―思いの強さがあるんでしょう。

 家入 私には音楽しかない、このまま普通に生きたくない、と思っていた。昨年上京する時は家族に反対されて、迷ったけど、思い切りました。

 ―今の目標は。

 家入 まずライブをやりたい。普段、10代の人たちが口に出して言えないような気持ちを、ライブで歌って、共感してもらえれば、と思っています。

 (文・吉田昭一郎、写真・金田達依)

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 「福岡スタア倶楽部」は、創刊140年を超える西日本新聞のデータベースを掘り起こし、福岡ゆかりの芸能人の懐かしいお宝記事を紹介します。紙面掲載した記事を当時のまま再現しており、内容は取材時点のものです。

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