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【スターのミカタ】「あとワンフレーズ…ぎりぎりまで」20歳あゆが語る歌詞へのこだわり

福岡スタア倶楽部​​​​​ー1999(平成11)年2月2日 西日本新聞ー

 大人と子どもの境目。「わたしには、それが分からない」と、首をかしげるシンガー、浜崎あゆみ(福岡市出身)は20歳。少女の無邪気さと、張りつめた緊張感が同居する不思議な魅力で、いま最も期待されるボーカリストの一人に。1月1日に発売された初めてのアルバム「A Song for XX」(エイベックス)は順調な滑り出しを見せている。

 キュートなルックスに比べて、その歌の世界は力強い。その力は、浜崎自身が全曲にわたって手掛けている歌詞に源泉がある。

 「頭の中で考えて全部出来上がってから、初めて紙に書くんですよ」。作詞は単なる思いつきの言葉の羅列ではない。「とりあえずっていう言葉が嫌いで納得しないと気が済まない。あとワンフレーズ思い浮かばないっていうときもぎりぎりまで考えちゃう」

 悩み、くじけ、もがき、歩き出す。多感な季節を生きる若者の心。「次の信号青になったら/走り出すことに決めたんだ」と、街角でふと下す大きな決断。「一筋の光を信じてみるの?/それとも暗闇に怯えるの?」と、傷ついた心に問う言葉。どれもみな、自身への問いかけでもある。「歌うことでメッセージを提示しているだけで、最終的な答えまで提示したくない。聴く人が自分で答えを出せばいい。『そうだねえ』とか『それは違う』とか自由に受け取ってほしい」

 「本番前ピリピリして、うがいしたり、はちみつなめたり、自分を追い込みすぎていた」という昨年4月のデビュー曲「poker face」のころ。「でも今は、歌うことを楽しめるようになったかな」とほほ笑む。「今どうしてもできないのが曲を作ること。将来は限りなくセルフプロデュースに近いものを作りたい」と夢を膨らませている。

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 「福岡スタア倶楽部」は、創刊140年を超える西日本新聞のデータベースを掘り起こし、福岡ゆかりの芸能人の懐かしいお宝記事を紹介します。紙面掲載した記事を当時のまま再現しており、内容は取材時点のものです。

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