植岡が大金星の初V 五輪金のウルフを準決で破る
柔道講道館杯・男子100キロ級
柔道の世界選手権(来年5月・ドーハ)日本代表第1次選考会を兼ねた講道館杯全日本体重別選手権最終日は30日、千葉ポートアリーナで男子7階級が行われ、100キロ級は東京五輪金メダルで五輪後初の実戦となったウルフ・アロン(了徳寺大職)が準決勝で敗れ、3位決定戦に勝利。植岡虎太郎(天理大)が初制覇した。
得意技を貫いた。延長にもつれた男子100キロ級決勝。植岡は「自分には背負い投げしかない」と足技で崩した相手を担ぎ、技ありを奪った。シニア大会では自身初の全国制覇。「厳しい闘いになると分かっていた。勝てて良かった」と笑顔を輝かせた。
背負い投げは馬出柔道クラブ(福岡市)で柔道を始めた4歳のとき、初めて習った技だ。男子60キロ級で五輪3連覇した天理大の先輩、野村忠宏さんの映像を見てイメージを植え付けてきた。
東京五輪金メダルのウルフ・アロンに挑んだ準決勝でも「相手の方が格上。思い切って攻めよう」と果敢に仕掛け、受けの強い相手の体を浮かせる場面も。積極性が実って相手から指導3を引き出し、大金星を挙げた。
自身初の国際大会となるグランドスラム(GS)東京の出場権も獲得。夢は広がるが「(ウルフは)久々の実戦で慣れていない部分があったから勝てた。まだ大口はたたけない」と足元を見つめる。同時に「もう一つぐらいタイトルを取ってライバルになるよう頑張りたい」。五輪王者を再び破り、パリ五輪代表争いを盛り上げる。
(末継智章)