奈良県と近鉄GHDが連携協定、トップで定期協議へ
奈良県の山下真知事と近鉄グループホールディングス(GHD)の都司尚社長は27日、地域活性化や持続可能なまちづくり、観光振興などに協力して取り組むための包括連携協定を結んだ。個別課題についての担当者レベルの話し合いだけでなく、最低でも年1回、両トップや幹部が参加する協議会を定期的に開いて意見交換するとした。
世界遺産の平城宮跡(奈良市)を横切る近鉄奈良線の移設問題について、山下知事は5月の就任後、移設を中止する方針を示しており、現在両者の部長級による協議を進めているという。山下知事は締結式後の記者会見で「結果が整いしだい発表したい」と説明。都司社長は「もともと存置案がいいと言ってきたが、協議の場でも意見を申し上げていきたい」と話した。
協定締結式で山下知事は「奈良県と近鉄GHDは運命共同体のような関係。一致協力して奈良県を活性化していく」とし、人口増加などに取り組む考えを強調した。都司社長は「県と密に情報交換し、地元自治体や住民の方の参画も得ながら取り組みたい」とし、協力テーマのひとつである観光振興に関し「南の方に足を運んでもらうしかけが必要」などの認識を示した。