子ども文庫 作家・辻村深月
6年前のこの欄で、長男の保育園の卒園式について書いた。掲載日当日は、偶然にも私のサイン会。読者の皆さんから「おめでとうございます」と声をかけられた。みんな、どうしてうちの子が卒園したことを知ってるの? と面食らったが、この欄を読んでくれたからだと知って、そのこともとても嬉(うれ)しかった。
さて――早いもので、その時に卒園した長男がこの春小学校を卒業し、中学生になった。
私も最初の本が出てから気...
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