放送法とは ネットは現状「補完業務」
きょうのことば
▼放送法 放送事業者に番組の公平性を保つことや公序良俗に反しないことなどを定めた法律。NHKに関して設立から運営、財政、番組、監督に至るまで規定。NHKの受信料制度なども定めている。
NHKの受信料は受信機を設置した世帯や事業者が放送法に基づき、契約後にNHKに支払う。総務省によると、2021年度のNHKの受信料徴収率は79.6%だった。年々低下傾向にあり、支払い対象者を「全ての住居占有者と事業主」とするドイツや、「受信機を設置、または使用する者」と定める英国がいずれも9割を超えているのと比べて低い。動画配信サービスが広がり、視聴時間を奪い合うほか、世帯数減少で受信料収入が減ることも見込まれている。
現状の放送法ではNHKのネット業務を放送を「補完」する任意業務と位置づけている。ネット業務を放送法上の必須業務にするには、既存の受信料制度との整合性などに課題がある。放送番組に直接関わらない「ニュース・防災」アプリなどなし崩し的な拡大も問題視されている。
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