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国の借金、6月末で1255兆円 1人あたり初の1千万円超

(更新)
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財務省は10日、国債と借入金、政府短期証券を合計したいわゆる「国の借金」が6月末時点で1255兆1932億円だったと発表した。3月末から13.9兆円増え、過去最多を更新した。国民1人あたりで単純計算すると、初めて1000万円を超えた。債務の膨張に歯止めがかからず、金利上昇に弱い財政構造になっている。

企業の業績回復に伴い、2021年度の税収は67兆円と過去最高を更新した。一方、新型コロナウイルス対策や物価高対策などの歳出は増え続けている。低金利が続き利払いは抑えられているが、歳出の増加が税収の伸びを上回り、債務が膨らむ構図になっている。

7月1日時点の総務省の人口推計(1億2484万人、概算値)で単純計算すると、国民1人あたりで約1005万円の借金になった。およそ20年前の03年度は550万円で、1人あたりでみると2倍弱に増えた。

税収で返済しなければならない国の長期債務残高は6月末時点で1010兆4246億円と、3月末から6.7兆円減った。過去に発行した国債の償還があったためで、普通国債の発行残高は984兆3353億円と3月末から7兆円減った。

物価高対策を盛り込んだ2.7兆円規模の22年度補正予算は財源の全額を赤字国債でまかなった。財務省は22年度末に普通国債の残高が1029兆円、国の長期債務残高は1058兆円に膨らむと試算する。借入金や政府短期証券を含めると国の借金は1411兆円まで増える。

新型コロナの感染拡大やインフレ対応で米欧の主要国は相次ぎ財政出動に動いた。日本の債務残高は国内総生産(GDP)の2倍を超え、先進国の中で最悪の水準にある。成長力を底上げして税収増につなげる「賢い支出」を徹底する必要がある。

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