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下げ相場に強い外国株投信 過去最大の下落率から探る

投信ランキング(最大ドローダウン)

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米利上げの織り込み、インフレ懸念、ウクライナ情勢などにより株式市場は波乱相場が続いている。コロナショック後の好調なパフォーマンスを背景に人気を集めた投資信託の中には、大きく値を下げている商品もあり、肝を冷やしている読者も少なくないのではないだろうか。そこで今回は、基準価額(分配金を再投資した場合)の過去最大の下落率を示す「最大ドローダウン」に注目したい。

長期間のデータを使うことで、最悪のケースでどれくらいの損失を覚悟しなければならないかという目安を把握するための指標で、過去の下落相場で下げに強かった投信を探すのにも利用できる。

どのような指標か、代表的な先進国株指数であるMSCI ワールドを使って説明しよう。右図は1988年初を100とした累積リターン(月次リターンベース)である。過去のピークからの下落率をドローダウンと言い、その最大下落幅を「最大ドローダウン」と呼ぶ。図の例ではマイナス61.2%(2009年2月)となる。つまり先進国株式へ投資を行う場合、最悪のケースでは約6割の下げを覚悟する必要があると考えられる。一方で、13年11月末には指数は元のピークの水準にまで戻しており、マーケットに居続けることの大切さも同時に表していると言えるだろう。

ヘルスケア投信が健闘

下落相場に強い投信を探すため、過去3年間の最大ドローダウン(月次リターンベース)が小さい順に主に先進国型の外国株投信を並べてみた(表)。

1位は、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」となった。卓越した独自の事業モデルを有し、外部環境にかかわらず、長期間、収益成長が持続できると判断した高クオリティーな成長企業へ、株価バリュエーションを考慮の上、投資する。グロース型の投信だが、情報技術に偏ることなく、ドローダウンが相対的に小さいヘルスケアや生活必需品にも投資していることが、今回のランキングで1位となった一因とみられる。なお、本投信はR&Iファンド大賞を7年連続して受賞しており、下落相場に強いだけでなく、良好なパフォーマンスを長期で残している。

ランキングを見ると、ドローダウンが相対的に小さいヘルスケアに投資する投信が多くランクインしている。その中で6位と8位の「野村ACI先進医療インパクト投資」に注目したい。

この投信は、近年注目を集めているESG投資の運用手法の一つである「インパクト投資」の観点で、「革新的治療の提供」「医薬品・医療サービスへのアクセス」「医療費削減のソリューション」「効果的な医療機器・サービス等」の4つのテーマに沿って、社会により良い影響をもたらす先進医療関連企業に投資を行う。

投資信託を選ぶ時のポイントには騰落率や資金の流出入額など、様々な視点がある。この連載では、投信のプロが旬のジャンルをピックアップして最適な項目でランキング化。上位に入る注目の投信を解説する。

(格付投資情報センター 田中翔平)

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