沖縄電力24年3月期、最終損益「未定」に 発電所事故で
沖縄電力は28日、2024年3月期の連結最終損益の見通しを「未定」に修正した。具志川火力発電所(うるま市)で27日に発生した「揚炭機」の倒壊事故を受け、復旧費用や発電コストなどの影響額を想定するのが難しくなったため。5月に公表した従来予想では、電気料金値上げに伴い40億円の黒字(前の期は454億円の赤字)を見込んでいた。
揚炭機は燃料となる石炭を船から陸揚げするための設備。高さ30メートル、幅70メートルで重さは1100トン。倒壊により、運転室で操作していた委託先の30代の男性作業員が首を捻挫するけがを負った。
倒壊した機材は1994年に運転を開始した。沖電の仲程拓取締役常務執行役員は同日の記者会見で事故原因について「まだ調査に入れていないが人的、設備的、管理的なものなどあらゆる方面から調査したい」と述べた。
具志川火力発電所は沖縄本島全体の火力発電所の最大出力の2割程度を占めている。石炭の貯蓄量に限りがあることから当面は稼働率を下げるが、他の発電所の稼働率を高めるため「電力の安定供給に支障はない」(仲程氏)という。
同日発表した23年4〜6月期の連結決算は、最終損益が57億円の赤字(前年同期は68億円の赤字)だった。売上高は電気料金の値上げに伴い11%増の537億円だった。販売電力量は前年より気温が低い水準で推移した影響で2%減った。