鹿児島銀行の「Payどん」、県内2金融機関も参加へ
鹿児島銀行と南日本銀行、鹿児島相互信用金庫は17日、鹿児島銀のスマホ決済アプリ「Payどん」を使ったキャッシュレス事業に両金融機関が参加すると発表した。1県内の金融機関が共通のキャッシュレス決済システムを使うのは全国的にも珍しいという。地域内で資金やデータを循環させて共同活用することで、地元経済の活性化につなげる狙いだ。
今年10月からの共同利用を目指す。南日本銀と鹿児島相信の利用者は現在の口座を使ってPayどんでスマホ決済ができるようになる。このほか個人間送金やポイントの付与、デジタルでの地域振興券購入などにも使える。
システムやコールセンターの運営は鹿児島銀が受け持ち、南日本銀と鹿児島相信が一定の利用料を鹿児島銀に払う仕組み。Payどん加盟店の手数料は1.5%で、手数料収入は両金融機関の口座を使った場合など条件に応じて案分するという。
鹿児島市にある鹿児島銀行の本店別館で17日、鹿児島銀の松山澄寛頭取、南日本銀の斎藤真一頭取、鹿児島相信の永倉悦雄理事長が出席して基本合意書に署名した。Payどんの利用可能店舗数は2月末時点で鹿児島県内に1万919(JCBのQR決済システム「スマートコード」加盟店含む)、会員は10万8048人、月間決済額は5億円を超す。
今回の合意で、できるだけ早い時期に「3行庫で少なくとも会員数25万人くらいまで増やしたい。金額も比例して伸ばしたい」(鹿児島銀の松山頭取)考えだ。南日本銀の斎藤頭取は「(3金融機関で利用することで)地域通貨としての可能性も高まるし、県内のキャッシュレス促進につながる」、永倉理事長は「自治体との連携を図る事業にも活用でき、鹿児島を盛り上げるきっかけにしたい」と話した。
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