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文豪の世界観、街に根づく 司馬遼太郎記念館20年

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「竜馬がゆく」「坂の上の雲」などの歴史小説で知られる国民的作家、司馬遼太郎(1923〜96年)。この作家が後半生の32年を過ごし、愛着を持ったのが大阪府東大阪市だった。旧邸と隣接して整備された司馬遼太郎記念館は、11月で開館20年を迎える。

記念館は司馬が亡くなって5年後にできた。晩年まで暮らした東大阪市小阪の旧邸には、司馬が使っていた書斎が愛用の眼鏡、長椅子などと合わせて、生前の時そのままに残っている。この旧邸を生かしつつ、記念館が隣接地に建設された。設計は大阪が生んだ国際的建築家の安藤忠雄氏。

安藤忠雄が設計

記念館最大の売り物が、巨大な書架だ。地下から3層吹き抜けで見上げる壁面を、約2万冊が埋め尽くす。これでも全蔵書の3分の1にすぎないというが、群書の壁は、戦国時代や幕末を舞台に群像が織りなす人間模様を描く司馬の作品世界と、どこか重なる。

「安藤さんにはいい設計をしていただいた。おかげでこちらも蔵書の配列に作家固有の使い勝手を再現するべく、力が入った」と上村洋行・司馬遼太郎記念館館長は説明する。

記念館を運営するのは、司馬が亡くなった96年にできた司馬遼太郎記念財団。妻の福田みどりらが、作家の業績と遺志を伝えようと尽力して設立した(2012年に公益財団法人として認可)。財団の事業の柱の一つに、ジャーナリズムや学芸、文芸の分野で優れた業績をあげた人材を表彰する司馬遼太郎賞がある。1997年第1回の受賞者は、このほど亡くなったジャーナリストの立花隆だった。このほか受賞者には塩野七生、宮城谷昌光、北方謙三ら著名な作家が並ぶ。

大作家の家といえば白砂青松の景勝地や、閑静な古刹が点在する風致地区を連想しがちだ。しかし司馬の旧邸は、どちらかといえば庶民的な暮らしが根づく住宅街にある。

「原点が新聞記者(司馬は産業経済新聞出身)でしょう。だから記者気質というのか、町のざわめき、都市の便利さが好きなんです」。上村館長も、司馬遼太郎の義弟にあたり、新聞記者出身だ。

最寄りの駅から歩いて約10分。住宅街なのに迷わずにすむのは、案内標識が路面や壁面などあちこちに整備されているからだ。壁面提供への理解や、入館受付のボランティア業務など、記念館はすっかり地元に根付いたようだ。

毎年2月に菜の花忌

愛読者と司馬作品をつなぐのも財団の使命だ。毎年2月12日前後に大阪と東京で交互に開く「菜の花忌シンポジウム」は作家や有識者らを招き、折々のテーマで公開討論する。ファンの集いともいえるが、あいにく今年は新型コロナウイルスの感染拡大で、開催を見送った。入館者数にも、コロナ禍の影響がでている。年間2万4000〜2万5000人で推移してきたが、昨年は約6割減った。

それでも希望はある。司馬が亡くなって四半世紀。当然ながら新作はないのに、未発表原稿や講演・対談などが編さんされて、なお新刊が出ている。また第三者による評伝や作品分析も断続的に出版されている。作家は物故すると次第に書店での存在感が薄れていくのが通り相場だ。「ところがある大手出版社の元社長によれば『司馬さんは売り場が痩せないまれな作家の一人』なのだという」(上村館長)

来館者が自由に書き込めるノートは、開館以来約100冊になった。「独身時代にきて、今回は子をつれて再訪した」という文章に出くわすと、スタッフの励みになる。日本語以外にハングルや中国語、英語のほか、見慣れない文字も交じる。その全部が翻訳された司馬作品のファンというわけではないようだが「とまれ、2年後は司馬の生誕100年。記念シンポジウムのようなものを考えたい」(上村館長)。

(編集委員 岡松卓也)

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