中国・東風汽車集団、グループ再編 関連会社の株取得
【広州=川上尚志】中国国有自動車大手の東風汽車集団は30日、グループの商用車事業を再編すると発表した。小型商用車事業を手掛ける関連会社の株式を、約62億元(約1200億円)で買い取って子会社化する。グループ内に分散していた商用車事業を一体運営しやすくしてテコ入れを図る。
上海証券取引所に上場する関連会社で、小型商用車事業を手掛ける東風汽車股份有限公司(DFAC)への出資を見直す。DFACは従来、東風汽車集団と日産自動車の合弁会社である東風汽車有限公司(DFL)が60.1%の株式を所有していた。
東風汽車集団はまずDFLからDFACの発行済み株式の29.9%の株式を約33億5千万元で買い取る。その後、他の株主からも25.1%の株式を約28億1千万元で買い取る。
一連の取引後、東風汽車集団はDFACの55%の株式を所有する親会社となる。東風汽車集団は乗用車のほか、大型商用車や特殊車両などの事業を展開している。DFACの小型商用車事業も直接の傘下に置き、商用車事業の効率化を進める。
東風汽車集団は31日のSNS(交流サイト)での投稿で、今回の取引について「商用車事業の高いレベルの発展推進に役立つ。資金投入を増やし、研究開発などを強化する」とした。DFACの新車販売台数は2021年に20年比7%増の約18万台だった。
日産との合弁会社であるDFLは今後は「乗用車事業に専念する」(東風汽車集団)という。日産は31日までに「今回の決定を支持する。中国は我々の重要市場の一つであり、顧客の期待を満たすため革新的な製品の提供を続ける」との声明を公表した。
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