ASEM首脳会議開幕、ミャンマー代表者は欠席
【ハノイ=大西智也】アジアと欧州の53カ国・機関が参加するアジア欧州会議(ASEM)のオンライン首脳会議が25日、開幕した。新型コロナウイルスで打撃を受けた経済の復興や、インド太平洋地域の安全保障に関わる地域情勢などについて討議する。ミャンマーの代表者は欠席した。
首脳会議は隔年でアジアと欧州地域で交互に開かれている。今回はカンボジアのフン・セン首相が議長を務め、開幕式で「アジアと欧州の協力関係を再確認する上で今回の会議は適切な時期だ」と強調した。欧州連合(EU)のミシェル大統領は「共通の利益のために、アジアとの関わりを拡大していきたい」と述べた。
当初は2020年11月にカンボジアの首都、プノンペンで開かれる予定だったが、新型コロナの影響で延期していた。日本からは岸田文雄首相が出席し、中国の李克強(リー・クォーチャン)首相、韓国の金富謙(キム・ブギョム)首相らが参加する。26日に議長声明などの成果文書を採択する。
東南アジア諸国連合(ASEAN)は10月下旬の首脳会議でミャンマー国軍のミン・アウン・フライン総司令官を招かなかった。22日の中国との首脳協議でも一部加盟国が反対し、中国側が招待を見送った。クーデターで権力を握った国軍が市民への弾圧を続けており、国際会議でのミャンマー排除が常態化する可能性がある。
議長声明案ではミャンマー情勢を巡り「深い懸念を表明する」と明記した。特使受け入れや暴力停止などのASEANの5項目の合意事項を歓迎するとともに、ミャンマーのすべての当事者に対話を促し、民主的な政治体制に戻すよう求めている。
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