韓国ウォン、安値に歯止め FRB利上げ減速意識
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韓国の通貨ウォンが対ドルでウォン高方向に揺り戻している。2022年9月に1ドル=1439ウォンと年初比で21%下落し、13年ぶりの安値を付けたものの、22年末には1279ウォンまで戻した。米連邦準備理事会(FRB)が急速な利上げを減速するとの見方からウォン安に歯止めがかかった。
韓国銀行(中央銀行)は22年11月、政策金利を0.25%引き上げて年3.25%とした。米韓金利差の広がりによるウォン売りを避けるため、過去1年あまりで計2.75%引き上げてきた。韓国では1997年のアジア通貨危機の苦い経験から、外国資金の引き揚げへの警戒感が強い。
足元で主力産業の半導体市況が悪化し輸出に急ブレーキがかかる。燃料価格高騰も背景に22年は過去最大の貿易赤字となった。経常収支の悪化に伴うウォン売り圧力も根強く、再びウォン安に振れる可能性もある。
(ソウル=細川幸太郎)
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6日までの1週間でロシアの通貨ルーブルが上昇。原油安と経済制裁で下落したルーブルに持ち高調整の買いが入った。