中国の江沢民元国家主席が死去、どんな人?
ここが気になる
江氏は1926年、江蘇省で生まれました。85年に上海市長、87年には上海市トップの市共産党委員会書記を歴任。89年の民主化を求める運動への強硬な対応が当時の最高指導者、鄧小平氏に評価され、天安門事件の混乱のさなかに党トップの総書記に抜てきされます。経済成長と軍の近代化を進め、92年には市場化にカジを切る「社会主義市場経済」路線を打ち出し、外国企業の誘致を積極的に行いました。
78年に始まった改革開放を再加速したことで、2000年代の高速成長の基礎を築きました。共産党組織の基盤も強化し、私営企業家の入党を解禁。労働者と農民が多かった共産党員の裾野を広げます。外交面では米国など国際社会との安定した関係の構築に努めました。一方、日本との関係では反日につながる愛国教育を推し進め、98年の訪日の際に歴史問題に固執するなど、日本国内の対中感情を悪化させました。
2002年の総書記引退後も党の中央軍事委員会主席には04年9月までとどまり、強い影響力を維持し続けました。胡錦濤政権下では、引退してなお、胡氏に次ぐ事実上の党内序列2位の扱いを受けていました。江氏の死去は習近平国家主席の権力の掌握を象徴します。共産党内に習氏に意見できる存在は姿を消しつつあり、国家として不安定さを増す恐れがぬぐえません。
2017年入社。警察取材を経て、現在は電子版と紙面の編集を担当。冬に備えて吸湿発熱の寝具と衣類を買いそろえました。既に寒さに耐えられません。
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