沖縄にテーマパークJUNGLIA、戦略は？

主導するのは、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン（USJ、大阪市）を再建した森岡毅氏が率いるマーケティング会社の刀（同市）です。自然体験がテーマで、世界遺産の森林「やんばる」に近い県北部で工事を進めています。ジャングルや海を遊覧する気球型の乗り物や、襲い来る恐竜から逃げるスリルを味わうアトラクションなどが目玉です。森林に囲まれたスパ施設やレストランもつくります。

インバウンド（訪日客）も集客の柱に据えます。沖縄県は中国や東南アジアに近く、地の利を生かして新たな需要を日本に取り込む狙いです。国内のテーマパークは新型コロナウイルス禍で打撃を受けましたが、訪日客の増加が回復を支えています。オリエンタルランドが運営する東京ディズニーリゾート（TDR）は2023年4〜9月の来園者に占める訪日客の割合は13%で過去最高でした。

森岡氏は沖縄に着目した理由について、「県民所得が全国で最低水準にある沖縄の中でも特に低い本島北部の問題に気づいた。テーマパークにはコミュニティーに富を回す力があり、産業の勃興のためにつくるべきだと考えた」と述べました。観光客だけではなく、地域の暮らしも豊かにするテーマパークとなるか期待が高まります。