クレジットカード限度額、個人信用力で引き上げも
今年も残りあと僅か。年末年始の休みを使って海外旅行を計画している人もいるだろう。長引く円高で企業の業績は厳しいが、海外旅行のときには買い物などで円高のメリットを享受したいところだ。意外と知られていないが、クレジットカードの利用限度額は一時的に拡大できる。余裕を持って海外旅行を楽しもう。
クレジット払いの利用限度額を拡大する場合には、カード会社に電話をして海外旅行に行くために限度額を広げたい旨を伝えればよい。JCBや三菱UFJニコスなど多くのカード会社が限度額の引き上げに対応しており、1日~数日後に審査を経て利用限度額が引き上げられる。
限度額の引き上げは海外旅行のほか、高額商品の購入などを想定している。対象となるのは1回払いで、リボルビング払いなどには適用されないことが多い。引き上げ幅は審査の結果による。
キャッシングの限度額も引き上げられる場合がある。カードの契約時に設定した金額のままで、本来の上限額に対して余裕がある会員が多いためだ。現地でお金が足りなくなった場合に備え、問い合わせてみるのもよいだろう。
カードの利用限度額がもともと大きければ心配はいらない。では一時的ではなく、通常の利用限度額を大きくすることはできるのだろうか。
「クレジット払いの限度額は使い方次第である程度大きくできる」と大手カード会社の幹部は打ち明ける。「普段からクレジットカードを使って多く買い物をすればよい」という。
カード会社としては会員がクレジット払いをすると店舗などから手数料が入るので、なるべくカードを使ってほしい。一方で支払い能力を超えて限度額を設定するとトラブルの原因になる。そこでカード会社は利用状況などをみて「カードをたくさん使って、きちんと支払いをする顧客」の限度額をむしろ引き上げて利用を促そうとする。
カードの限度額は会員の収入や勤め先、家族構成、ローンの状況など様々な要素を勘案した個人の「信用力」による。あくまで「その人が無理なく支払える額」なので、青天井にはならない。ただ「公共料金の支払いなどを含めて普段使うカードは1枚に絞る」「まとまった金額は現金でなくカードで支払う」といったことを積み重ねれば、限度額が高くなる可能性はある。
もちろん、限度額のためにカードで買い物をし過ぎてしまっては本末転倒だ。支払いに遅延があると個人の信用力にはマイナスに作用する。楽しい海外旅行が終わったら、限度額を見直して賢い家計管理に役立てよう。
(長岡良幸)