通販番組とスマホ連動 QVC、買いやすいアプリやサイト
9月中旬、スマホで「QVCアプリ」を立ち上げてみた。オンエア中の商品として取り上げられていたのはファンデーション。動画を選ぶと、プレゼンターらが登場して商品を紹介するおなじみの映像が流れる。映像はQVCのテレビ番組と同じ生放送だ。気に入った商品が見つかれば、商品にタッチするだけで注文画面に切り替わる。注文はネットだけでなく、電話での問い合わせもできる。
テレビと同じように色やサイズごとの在庫状況の変化もリアルタイムでわかるほか、商品の説明も文字で確認できる。すでに購入者が書き込んだ評価や口コミを、商品を選ぶ間際でも参考にできるのもスマホならではといえる。
アプリの提供は2011年1月。同年にはその商品を買った人がほかに買っている商品を推薦する「レコメンド」機能を追加したほかテレビ番組のガイドを見られるようにした。12年3月にはお気に入りの商品を表示するリストと閲覧した商品が一覧できるよう改めた。
アプリのダウンロード数は11年は年間約4万件だったが、13年7月末時点で23万件に達した。QVCのテレビ番組を見ながらスマホで注文する顧客も目立ち、アプリ経由の売上高も12年には11年の5.8倍に急増した。当初、アプリは若い人しか使わないとの懸念もあったが「40~50代の女性が順調に使っている」(同社)という。
18日にはスマホでも見やすいサイトを開設。これまでパソコン用サイトはスマホで表示しても、ごちゃごちゃして見にくかったという。スマホからのアクセスを自動で認識して、アプリと同じようにすっきりした画面で表示する。
スマホサイトでは画面の上部に「QVC LIVE」と表示され生放送が視聴できる。利用者が頻繁に使う番組表も確認しやすい。SNS(交流サイト)などで共有できるため、良い商品をフェイスブックなどでシェアしてもらいやすくなるという。アプリとスマホ向けサイトを両輪に新しい顧客を開拓していく。
(名古屋和希)
[日経MJ2013年9月20日付]