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軽乗用車、ミニバン並み「背高」が5割へ、日産が新車

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車の高さがミニバン並みの170センチメートル以上の「スーパーハイトワゴン」と呼ばれる軽自動車が売れている。室内空間が広く、子供のいるファミリー層の人気を集めているためだ。ホンダの「N-BOX」などがけん引するが、3月には日産自動車三菱自動車が相次いで新型車を発売する。軽乗用車全体に占める同タイプの販売台数の比率は年々高まり、2020年には5割を超えそうだ。

「いま一番人気があるのがスーパーハイトワゴン。競合も多いが、日産が考え抜いて作った自信作だ」。25日に開いた新型車「ルークス」の発表会で同社の星野朝子副社長はこう語った。14年に発売した現行モデル「デイズルークス」から6年ぶりの刷新。「デイズ」の派生車種だが、「ルークス」として独立させ、販売に力を入れる。

ルークスは後席の室内の高さが140センチメートルと、小さな子供が立ったまま着替えられるほど余裕がある。希望小売価格は141万5700円から。荷室も一定の広さがあり、キャンプなどのアウトドアでも利用しやすい。

三菱自動車もルークスと共通の車台を使った「eKスペース」などの2車種を投入する。ルークスを含めた「姉妹車」3車種の発売日は3月19日で、月間で計1万台以上の販売を見込む。

19年の軽乗用車の国内販売台数は約148万台と、16年比で1割伸びた。同タイプを引っ張るホンダのN-BOX、ダイハツ工業の「タント」、スズキの「スペーシア」の3車種が軽乗用車市場に占める比率は5年前の2割台から19年に4割に達した。日産・三菱の3車種が統計に加わり20年には5割を超えそうだ。

スーパーハイトワゴンの登場などで軽自動車の平均価格は140万円超と、ここ10年で4割近く上昇。「単純に安いだけのクルマ」のイメージから変わってきている。300万円台のミニバンほど車内スペースは広くないが、車高は同水準のため「お得感」はある。セダンよりもミニバンに慣れ親しんだ世代がファミリー層になってきたことも背景にある。

かつての狭い軽乗用車から脱却し、車内が広く、開放感のあるクルマにもなってきている。価格で競合する、排気量1500cc以下の小型乗用車に比べ、座席や荷室が広い点も評価されているようだ。スーパーハイトワゴンに顧客が流れた影響などで、小型乗用車の国内販売台数は5年で1割以上落ち込んだ。

劣勢の小型乗用車ではトヨタ自動車が今月10日に「ヤリス(旧ヴィッツ)」、14日にホンダが「フィット」の新型車を相次いで発売した。看板車種の市場投入で、カテゴリーを超えた競争はさらに激しくなりそうだ。

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