米朝首脳「歴史的対談」 北朝鮮メディア「前例ない信頼」
【ソウル=恩地洋介】北朝鮮の朝鮮中央通信は1日、金正恩(キム・ジョンウン)委員長が6月30日にトランプ米大統領の提案を受け、韓国との軍事境界線にある板門店で「歴史的な会談」をしたと報じた。会談の成果について「朝鮮半島の非核化と朝米関係で新たな突破口を開いていくための生産的な対話を再開し、積極推進していくことで合意した」と伝えた。
朝鮮中央通信は「両首脳の大勇断は、敵対国家として反目してきた両国に前例のない信頼を創造した出来事になる」と成果を誇示した。会談内容について、朝鮮半島の緊張緩和や「朝米両国の忌まわしい関係を終わらせて劇的に転換するための方途」を協議したとし、解決への障害となる互いの懸念事項や関心事を説明したと報じた。両首脳が会談結果に「大きな満足を表した」とも強調した。
トランプ氏が軍事境界線を越えたことにも触れ「米国の現職大統領が史上初めて軍事境界線を越えて我々の領土を踏む歴史的な瞬間が記録された」と意義を伝えた。会談後にはトランプ氏と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が金正恩氏を「温かく見送った」とした。
1日付の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」も、会談の事実を多数の写真とともに1面に掲載し、米朝関係の進展を大々的に宣伝した。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。