北方領土返還「戦争しないと」 維新・丸山議員が発言
北方四島ビザなし交流の訪問団の一員として国後島を訪問した日本維新の会の丸山穂高衆院議員=大阪19区=が11日夜、滞在先の国後島古釜布の宿泊施設「友好の家」で、元島民の男性に対し、北方領土問題について「戦争をしないとどうしようもなくないか」「(戦争をしないと)取り返せない」などと発言し、トラブルになっていたことが分かった。
丸山氏は11日午後8時ごろ、友好の家の食堂で懇談中、元国後島民で訪問団長の大塚小弥太さん(89)に対して「ロシアと戦争で(北方領土を)取り返すのは賛成か反対か」と語りかけた。大塚団長が「戦争なんて言葉を使いたくない」と言ったのに対し、丸山氏は「でも取り返せない」と反論。続いて「戦争をしないとどうしようもなくないですか」などと発言した。
これに対し、大塚団長は「戦争なんてとんでもない話。何の意味で(われわれが)来ているか」などと答えた。
丸山氏はホームビジット先のロシア人島民宅で飲酒した後だったという。発言当時は友好の家の食堂で、訪問団員10人程度が懇談していた。このほか、丸山議員は訪問団事務局や団員の制止を聞かずに、大声で騒いだり外出しようとしたりした。
複数の訪問団員が「日ロ友好の場にそぐわない」「夜遅くまで大声で騒いだ」「元島民に失礼な発言をした」として丸山氏に抗議。丸山氏は12日、滞在先の古釜布で全団員の前で「ご迷惑をかけたことをおわび申し上げます」と謝罪した。
一行が根室に戻った後、市内で開かれた記者会見で、丸山氏は自身の発言について「(マスコミに)発言を切り取られており、心外。団員の中では領土問題についてタブーが無く話せると聞いており、団長にも考えを聞いた」などと述べた。
丸山氏は当選3回。衆院沖縄北方問題特別委員会の委員。(同行記者団)