奈良の「せんとくん」無償で商業利用可 県、8月から
奈良県のPRへ企業の利用促す
奈良県は13日、県のマスコットキャラクター「せんとくん」の商業目的での利用を完全に無償にすると発表した。事前の申請承認は従来通り必要で、8月1日から。奈良をPRする手段として、企業などに利用を促したい考えだ。
せんとくんは2008年、「平城遷都1300年祭」のキャラクターとして誕生。童子がシカの角を付けた奇抜な姿が議論を呼んだ。県はイラストなどでの利用について、一部のデザインや公共目的は無償、商品や広告には販売予定額の3%の利用料を求める運用を行ってきた。
8月1日から利用する際の要綱やデザインのガイドラインを改定する。企業などに事前申請は求めるが、利用料は無料とする。基本デザインは「走る」「座る」など12種類のほか、奈良時代の官服姿や桜や紅葉をあしらったバージョンなど全26パターンがある。
県によると、1300年祭が行われた10年度のピーク時には約4900万円の収入があった。17年度はのべ44件、19事業者から申請があり、グッズや土産物のパッケージなどで使われているが、収入は約160万円と低迷している。
荒井正吾知事は「これまでも知名度アップに貢献してくれた。たくさん使って奈良のPRにもっと役立ててほしい」と話した。