制裁関税とは 自国の不利益や「報復」招くことも
きょうのことば
▼制裁関税 知的財産権の侵害や不公正競争などを理由として、外国から輸入する製品に対する関税を引き上げること。輸入品の価格が上昇するため、自国の消費者の不利益になる恐れもある。関税を引き上げられた相手国が、報復措置として同様の関税引き上げに動くことが多い。
トランプ米政権は2018年3月、中国が米国企業などの知的財産権を侵害しているとして、通商法301条に基づく制裁措置を決めた。同年7~9月に半導体や化学品など計2500億ドル(約27兆円)相当の中国製品に10~25%の高関税を課した。中国も報復措置として大豆やトラックなど、計1100億ドル相当の米国製品の関税を引き上げた。
18年12月の米中首脳会談では、米国が2000億ドル分の関税を10%から25%に引き上げることを猶予する代わりに、知的財産権や技術移転の強要問題、サイバー攻撃など5分野で協議することで合意した。だがトランプ大統領は5月に入り、突如として関税の引き上げを表明した。中国も米国製品600億ドル分について関税率を最大25%に引き上げる報復措置を発表した。