米国料理やパイが人気で、独特な制服が有名のレストラン「アンナミラーズ高輪店」(東京都港区)が8月31日、営業最終日を迎えた。

運営する井村屋(三重県津市)によると、1973年に東京・南青山に1号店がオープン。国内で11番目に開店し、唯一の実店舗となった高輪店は約40年間営業を続けた。JR品川駅周辺の再開発に伴い、国土交通省から移転要請を受け、閉店が決まった。実店舗としては一時幕を下ろすが、一部商品の通信販売は続ける。高輪店と同様の集客力が得られる立地の新規出店を検討しているという。高輪店の初代店長の鼎(かなえ)正教さん(67)は「これまで応援してくれたお客さまには感謝しかない」と語った。

ファンからは営業終了を惜しむ声が上がった。この日は未明から店頭前に列ができはじめ、午前9時の開店時間の前には、整理券の配布が終了となった。都内に住む50代の女性は「最後にアメリカンパイを食べることができて良かった」と笑顔。整理券番号1を手に入れた50代会社員男性は前日の8月30日午後10時から並んだ。初めて店を訪れたといい「テレビで見たウエートレスさんが本当にいるんだなという感じ。もっと早くから来れば良かった」と名残惜しんだ。店は午後10時半ごろに閉店し、スタッフが一礼。集まったファンが「アンナミラーズ最高!」と感謝を伝えていた。【沢田直人】