元巨人、レッドソックス投手の上原浩治氏(46=日刊スポーツ評論家)がTBS系の人気情報番組「サンデーモーニング」(日曜午前8時)のスポーツコーナー「週刊御意見番」の新御意見番に就任してから2回目の放送を16日、迎える。上原氏が「デビュー」した9日生放送のスタジオの様子を記者が取材。あらためて大役への思いを聞いた。

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上原氏は初「あっぱれ!」を母校にあげると決めていた。全国高校ラグビーで優勝した母校・東海大大阪仰星が取り上げられると、「これもう『あっぱれ!』3つくらいあげてください」とほおを緩ませて、番組名物の称賛セリフを発した。初「喝!」も母校に。司会の関口宏(78)から「野球(部)はどうなの?」と聞かれ「野球にじゃあ『喝!』を入れて下さい。野球で有名になって欲しいですよね」と愛情をみせた。

出演後に楽屋で取材に応じた上原は「最初の思い出に残る『あっぱれ!』っていうのは、こういう風に母校に出したかったんでね。仰星も優勝して、次の日に自分が番組出て『あっぱれ!』だせるっていうのもやっぱりいい流れが来ているかな」とうれしそうに振り返った。「喝!」については「あれは流れ弾だよね」と笑った。

午前8時8分の登場時はさすがに緊張した様子。助っ人ゲストの落合博満氏(68)唐橋ユミ(47)を先導する形でスタジオ入り。日米の大舞台を幾度も経験したスター投手も、白マスクの奥が少しこわばってみえた。

資料はなく、机の上で手を組むのが基本姿勢。CM中も談笑などはせず、適度な緊張感につつまれた。箱根駅伝の話題では「あっぱれ!」のステッカーを手にした司会者の関口から「こんなものも一応あるんですよ?」と促されても「どうなんでしょう?」と落合氏の方に顔を向けてかわした。

ただ、野球以外のスポーツも元アスリートらしい視点でテンポよく答え、徐々に番組にリズムが生まれた。ニューイヤー駅伝で優勝したHondaには落合氏が「あっぱれ!」。上原氏は母校ラグビー部に続き、青学大が総合優勝を果たした箱根駅伝にも『あっぱれ!』を送り、「ここ(母校)を最初にあっぱれ持ってきたかったので、駅伝にも2つ、『あっぱれ!』でOKです」と説明した。

約40分の出演を終え、スタッフにあいさつしながら楽屋に戻ると、コーヒーを一杯。番組のYouTube動画を撮り終え、先に帰り支度を整えた落合氏を見送ると、上原は大きく息を吐いた。「緊張しました。めっちゃ肩凝っている」と大きく息を吐いた。

番組出演の感想を聞くと「そうですね。いやー…難しいよね。やっぱりね。本職じゃないもんね。野球やっている方が楽よ」とこぼして笑いを誘った。

新御意見番就任は大きな反響があったという。「『御意見』っていうと重いから、コメントで。週刊スポーツコメント番とか、もうちょっとラフな風にしてくれへんかな(笑い)」とぶっちゃけた。

初回の御意見番ぶりを「喝!」か「あっぱれ!」で聞くと…。「『普通』やね。可もなく不可もなく」と。自然体で自己評価し、安堵(あんど)の表情をみせた。【佐藤成】

◆「サンデーモーニング」 1987年10月「関口宏のサンデーモーニング」としてスタート。97年10月から「新サンデーモーニング」、99年4月から現行タイトル。日曜午前8時から2時間。出演者はジャーナリスト青木理氏や寺島実郎氏ら。1テーマで世相を捉える「風をよむ」や専門家の「黒板解説」などのコーナーも。昨年末で「-御意見番」のレギュラー出演を終えた張本勲氏は、今後は「スペシャル御意見番」として不定期で出演予定。略称サンモニ。