18日に京都・南座で行われる「桂米朝一門会」の取材会が9日、同所で開かれ、出演する桂米二(61)、桂団朝(51)、桂二乗(40)が出席した。米二は南座に初出演した84年の落語会を振り返り、新開場での公演に意気込んだ。

72年から一門会をスタートさせた故桂米朝さん(享年89)は、戦後の上方落語を復興させ、上方落語四天王の1人と呼ばれた。米二と団朝は米朝さんの弟子で、米二の弟子の二乗は孫弟子となる。

南座での一門会の歴史は84年からで、これまでは7月開催が恒例だった。19年は南座の新開場を記念して、めでたい新春に行われる。

米二は84年の南座で初の一門会、当時は米朝さんと故桂枝雀さん(享年59)の親子会として開かれた落語会に前座で出演し、古典「子ほめ」を披露した。「米朝、枝雀どっちもノリノリで私もすごくウケたのを覚えている」と、南座初出演で師匠らと共演した当時を振り返った。客席の様子まで鮮明に覚えていると話し「緞帳(どんちょう)が開いた時に客席から湯気が上がったような熱気を感じた。すごく盛り上がった」。

超満員の客席に、全5席の落語会は予定の3時間を大幅に超える盛り上がりだったという。「お客さんも出る方(演者)も火花の散らしあいみたいな。それぐらいの熱気がありました」と、強烈な印象を思い起こし「一生懸命、やらしてもらう」。普段は歌舞伎などの公演が行われている南座で、「桂米朝一門会」という名で落語が出来ることには、偉大な師匠に感謝していた。

団長は松竹新喜劇女優の妻が南座1月公演に出演しており、夫婦そろって新開場の舞台に上がる。光栄なことに感謝し「師匠が残してくれたネタで今の皆さん方に楽しんでいただけるように」と話した。

二乗は南座の改修前、最後の一門会となった15年7月公演が南座の初出演だった。披露した演目が曖昧なほど、雰囲気などに圧倒されて覚えていないと苦笑いし「次はもうちょっと楽しみたい」と語った。

3人の他に桂南光、桂ざこば、桂塩鯛も出演する。