大相撲の大関貴景勝(26=常盤山)が夏場所(14日初日、東京・両国国技館)からしこ名の下を改名したことについて、ファンの注目が高まっている。「貴景勝光信(みつのぶ)」が、下の名前を本名の「貴景勝貴信(たかのぶ)」に改名。3日、都内の部屋で稽古した本人から理由を聞くことはできなかったが、取材に応じた師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)は「心機一転し、験直しの意味でまた一つ頑張ろうと思っているのではないか」とおもんぱかった。

常盤山親方によると、綱とりに挑んだ春場所を終えた直後に貴景勝自身からしこ名の下を改名したいという申し出があった。細かなやりとりについては明かさなかったが、「これは良いことだと思いました」と二つ返事で了承した。

貴景勝は今年1月の初場所を12勝3敗で3度目の優勝を飾り、次の春場所で綱とりに挑んだが、3日目の正代戦後に左脚を気にするそぶりを見せ、4日目からは左膝にテーピングを施して臨んだ。3勝3敗で迎えた同場所7日目に日本相撲協会に「左膝内側半月板損傷」の診断書とともに休場届を提出し、無念の途中休場を余儀なくされて負け越した。綱とりから一転、夏場所は6度目のかど番で迎えることになった。

同親方は痛めていた膝も順調に回復しているとし、「(夏場所は)もちろん出る予定です」。ウエートトレーニングを続けていたことから体の張りは維持できているとし、場所が近づくにつれて今後は相撲を取るなど実践的な稽古に移っていくとみる。14年秋場所の初土俵の時にもつけていた「貴信」の名を背負って夏場所に向かう大関を見守っていく。【平山連】