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フェンシング 山田 優選手

国際大会初優勝を飾るなど2019年から2020年にかけての活躍で、一躍脚光を浴びた山田選手。代表内定となった今、家族の支えを受けながら、来たるべき日に備えて着々と準備を進めている。

山田 優選手

2020年3月の五輪延期発表からここまで、本当に長かったです。当時の勢いで臨むことができれば、メダルを獲れたというのが正直なところですが、今はその時よりも強くなるために自分に足りないものを日々追求しています。


コロナ禍の1年は選考レースの中断など混沌とした時期を過ごしましたが、モチベーションを落とすことなく、開催延期をポジティブに捉えて、以前から気になっていた腰椎椎間板ヘルニアの手術をしました。調整もうまく進んでいるので、万全の状態で五輪を迎えられそうです。また、家族との時間も確保できたので、悪い影響ばかりでもなかったと感じています。


代表選手の練習相手として帯同したリオ五輪の時から、技術面では動きを少なくしたスタイルへと変更しました。最近では、それが自分に合っていることを再確認できたので、このまま試合に臨みたいと思っています。精神的な部分においては、家族の存在が僕を強くしてくれました。日頃からのサポートには本当に感謝しています。


本番まで残りわずかですが、重要なのは怪我をしないこと、そのためのトレーニングや心のケアだと考えています。技術を大幅に向上させることはできないので、今持っている実力を最大限に発揮するための準備が必要だと思います。


自国開催という特別な五輪なので、とても気持ちが昂ぶっています。みなさんの後押しがあると強くなれるタイプなので、応援していただけるとうれしいです。出場するからには必ずメダルを獲得して、良い報告ができればと思っています。

Profile

Masaru YAMADA ​[やまだ・まさる]

1994年生まれ。三重県出身。鳥羽高卒。2017年文理学部卒。自衛隊体育学校所属。種目はエペ。本学在学中の'14年に世界ジュニア選手権で日本人初となる優勝を飾り、4年時にはインカレ個人戦でも優勝。'19年は3月のW杯エペ団体で優勝したのに続き、6月のアジア選手権で金メダル獲得。さらに'20年のW杯グランプリ大会(ブダペスト)で、シニアの国際大会で初優勝。'21年3月時点で世界ランキング4位に入り、日本勢トップで五輪代表に内定。長身を活かしたダイナミックな攻撃が持ち味で、五輪エペでの日本初のメダル獲得に期待が掛かる。