ライブ配信を始めるならこのアプリ!おすすめサービス11選と選び方を解説

スマートフォンなどを使ってテレビの生中継のような映像を配信するライブ配信が年齢を問わず注目されています。

この人気に伴って、ライブ配信を行えるアプリも続々とリリースされており、そのサービスや機能は多種多様。ライブ配信を行ってみたいけれど、どのアプリで始めればよいのか悩む人も少なくありません。

ここではライブ配信アプリについて、どういった基準で選ぶとよいのか、アプリによってどんな差があるのかといった点を解説します。また、具体的なおすすめアプリ10選を挙げつつ、アプリごとのマネタイズの方式や、オリジナルのライブ配信アプリ制作方法も含めて解説します。

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ライブ配信アプリの選び方

ライブ配信とは、スマートフォンなどを使って動画を生配信するサービスです。自宅で楽しめるエンターテインメントとして人気が高まっており、視聴者はもちろん、配信者の数も急増しています。

ライブ配信の内容はシンプルなトークだけでなく、料理やゲーム、スポーツなど多岐にわたります。

こうしたライブ配信はアプリを使って行うことが一般的で、アプリをインストールすればスマートフォンから気軽にライブ配信が可能です。

多くのアプリ上では、配信者のリアクションやリスナーのコメントをリアルタイムで確認できます。アプリを活用したイベントのほか、タレントやアーティストなどを起用したコラボレーション企画を行う企業も増えています。

ただ、ライブ配信システムの特徴はアプリによってさまざま。以下の5つの基準に沿って考えてみましょう。

  • ユーザー数(リスナー数)
  • 画質と遅延
  • 配信動画のジャンル
  • アプリの動作環境
  • マネタイズ

ユーザー数(リスナー数)

まず検討すべきはアプリのユーザー数、つまり「視聴者の多さ」です。

アプリのユーザー数が多ければ多いほど、ライブ配信を行ったときに視聴してもらえる可能性は高くなります。

配信者の視点から考えると、コンテンツ自体は非常に魅力的でも届けられるユーザー数が限られていれば、人気を呼んだり広がりをみせることは難しいでしょう。

また視聴者の視点から考えると、ユーザー数が多いほうがコンテンツがバラエティに富んでおり、さまざまなライブ配信を楽しめるメリットがあります。

データが公表されていないこともあるため、厳密なユーザー数でアプリごとの比較はできませんが、ライブ配信アプリ選びの重要な要素の1つと言えるでしょう。

画質と遅延

配信する映像の画質にも、アプリごとに若干の差があります。

配信者側・視聴者側のネット環境も関係するので一概に「画質の良いライブ配信アプリ」を挙げることは難しいですが、4K配信が可能なアプリもある一方で、HD画質のアプリもあります。

また、配信の安定性も重要な要素です。遅延が発生しやすいアプリだと、動画と音声にズレが生じることがあり、不安定な環境が続くと映像が止まるなどして視聴者のストレスに繋がります。

トークライブの生配信やゲーム実況など、遅延を避けたいコンテンツのライブ配信を検討している場合には、遅延の少なさも確認するとよいでしょう。

配信動画のジャンル

明確な住み分けがされているわけではありませんが、ライブ配信もアプリごとにユーザー層の違いがあります。

ゲーム実況が多いアプリや、高校生から大学生世代がメインユーザーのアプリ、海外のユーザーが多いアプリ、タレントやアーティストのユーザーが多いアプリなど、大まかとした傾向があります。

配信者の視点から考えると、たとえば若年層ユーザーの中で社会人向けのコンテンツを配信していても視聴者を増やすことは難しいでしょう。あるいは、社会人向けのコンテンツが並ぶ中で海外ユーザー向けに日本の料理を紹介する、といったことも然りです。

まずは視聴者として各アプリで配信されているコンテンツを視聴。動画に対する視聴者のコメントやリアクションの傾向、利用者の多い時間帯などを大まかに理解したうえで、配信したい内容に合わせてアプリを選ぶことが重要です。

アプリの動作環境

ライブ配信はスマートフォンだけでなく、パソコンから行うことも可能です。ただし、アプリによってはパソコンからの配信に対応していないものもあり、注意が必要です。

一方で、ゲーム実況の場合はスマートフォンだけで配信するのは難しいでしょう。カメラやマイクといった本格的な機材を使った配信を考えている場合には、スマートフォン以外からの配信に対応しているかどうかもアプリ選定の大切な要素です。

マネタイズ

アプリによってはライブ配信の収益化も可能です。配信者の中には配信による収入で生活している人もいます。

ライブ配信アプリにおけるマネタイズは、ほとんどが「投げ銭」と呼ばれるシステムを利用しています。これは、配信者に対して視聴者が応援やサポートの意味を込めて、アプリを介して金銭(あるいはポイント等)を送ることです。アプリによっては、投げ銭だけでなく配信時間に応じた報酬を得られるものもあります。

また、アプリを提供する企業が独自に設定するポイントなどを使って間接的に投げ銭を行うこともあり、その場合ポイントの現金化などには各社が規定や規約を設けています。

どのような形でマネタイズをするか、あるいはマネタイズが必要なのかによって、アプリの選び方は変わります。

おすすめのライブ配信アプリ

ここからは、サービスを展開している主なアプリを具体的に挙げて、それぞれの特徴を見てみます。

YouTube

YouTube

出典:YouTube

YouTubeは世界で最もユーザーが多い動画プラットフォームであり、非常に認知度の高い配信アプリです。世界中のユーザーがあらゆるジャンルについて配信しているので、特定の傾向は挙げられません。

ライブ配信は誰でも可能ですが、初めての配信にはアカウント確認に最大24時間かかるおそれがあります。

マネタイズ面では「スーパーチャット」という投げ銭システムを備えており、配信者に100円から5万円の金額を送れます。ただし、誰もが配信できるわけではなく、チャンネル登録者数1000人以上、過去12カ月間の総再生時間が4000時間以上などといった実績が必要で(2021年10月現在)、収益化には比較的高いハードルが設定されています。

ニコニコ生放送

ニコニコ生放送

出典:ニコニコ生放送

株式会社ドワンゴが運営する「ニコニコ動画」は動画プラットフォームとして比較的長い歴史があり、10年以上利用している古参のユーザーも少なくありません。配信ジャンルにも独自の傾向があるといってよいでしょう。

10年以上利用している古参のユーザーも少なくありませんが、20代や30代も多く、全体の半数は2年以内に登録したユーザーです。

「ニコニコ生放送」のアプリはニコニコ動画と同様に「字幕」と呼ばれるコメントをつけて楽しめます。配信もワンタップで行うことが可能。最大3Mbpsの通信速度で高画質なライブ配信を行えるほか、WindowsはもちろんMacOSの環境での動作にも対応しています。

LIVEMINE

LIVEMINE

出典:LIVEMINE

LIVEMINEは株式会社ミュージックマインが運営するライブ配信プラットフォームです。音楽ライブに特化した有料ライブ配信アプリで、2020年7月からサービスを提供しています。

音楽活動をするアーティストらが主な配信者で、ファンは電子チケットなどを購入して視聴するシステムとなっており、アーティストのマネタイズ支援が目的です。そのため、投げ銭機能のほか、「配信画面上で最短2クリックで決済可能なグッズ販売機能」「マルチアングル機能」「海外配信」の機能があり、それらを1画面で視聴できます。

SHOWROOM

SHOWROOM

出典:SHOWROOM

「夢を叶えたいパフォーマーとそれを応援したい視聴者をつなぐこと」をコンセプトとしているSHOWROOMは、動画プラットフォームにライブ機能も付帯しています。配信者である「パフォーマー」は「仮想ライブ空間」を設定でき、視聴者はそこにアバターとして参加します。

会員数は約440万人、配信者数は約33万人(2020年10月末)と、非常に多くのユーザーを擁しています。配信者はタレントや芸能界を目指している女性が多く、プラットフォームはライブ会場で応援しているような一体感を体験できる演出がされています。

視聴者は20〜40代の男性が大半を占めており、投げ銭システムを使ってギフトやコメントを送ることで、配信者にポイントを送れます。また、ポイントとは別にSHOWROOM内の通貨「ジュエル」があり、これは配信で獲得したギフトやコメント、SHOWROOM全体の売上に応じて付与されます。ジュエルを1000以上獲得すると、1ジュエル=1円で換金できるようになります。

配信はパソコンからの配信も可能で、音声のみのラジオ配信にも対応しています。

Pococha Live

Pococha Live

出典:Pococha Live

いま急速にユーザーを増やしているライブ配信アプリの1つが「Pococha Live」です。2017年にサービス提供が始まり、2021年3月末で累計255万ダウンロードを達成しています。運営は株式会社ディー・エヌ・エーが行っています。

美白フィルターやデコレーション機能が充実していること、また、アーティストや有名人よりもタレント事務所などに所属していない一般のユーザーが多いことなどが特徴です。

Pococha Liveは特にマネタイズの面でメリットが大きく、ライブ配信自体に報酬が発生します。投げ銭をもらえなくても収益をあげられるため、配信初心者でも比較的マネタイズしやすいプラットフォームと言えます。

マネタイズは「ダイヤ」というアイテムによって行います。配信者はライブ配信を行うことで「ダイヤ」を受け取れ、1ダイヤ=1円で換金できます(2021年3月現在)。

この「ダイヤ」は、「時間ダイヤ」と「盛り上がりダイヤ」の2種類が用意されています。「時間ダイヤ」はユーザーからの人気度合いに応じて設定されている「1時間あたりのダイヤ獲得数」です。時間ダイヤと配信時間に応じて、投げ銭なしでダイヤを獲得できます。

一方、「盛り上がりダイヤ」は運営側が1日当たりに配布するために用意しているダイヤから「直近の配信の盛り上がり度合いに応じて、獲得できる分のダイヤ」です。配信の盛り上がりに応じて付与されます。2020年11月にシステムが修正され、より大きく盛り上がった日には、その分の盛り上がりダイヤが当日分として反映されます。

BIGO LIVE

出典:BIGO LIVE

BIGO LIVEは、「BIGO Technology Pte. Ltd.」(シンガポール)が運営するライブ配信アプリです。世界で最も成長しているIT企業の1つで、日本をはじめアメリカやヨーロッパ、韓国を含むアジアなど、世界150の国と地域でサービスを展開しています。ユーザー数は4億人を超える世界的に人気のアプリで、視聴者には海外ユーザーも多数存在します。

また、マネタイズも可能で投げ銭は「ビーンズ」という単位で獲得。視聴者はそれぞれの「ダイヤ」を消費して配信者に「ギフト」を送れ、このギフトで獲得した「ビーンズ」は210ビーンズ=約110円で換金できます(2021年10月現在)。

また、BIGO LIVEでは、配信者の「ランク」に応じた「時給制度」があり、配信時間に応じた収益獲得も可能です。ただし、配信時間にはノルマが課せられており、ビギナーの最低ランクでは「最低10時間/月」と規定されています(最高位ランクにはノルマ無し)。

17Live

17Live

出典:17Live

17Live株式会社が運営するライブストリーミングサービスが「17Live(イチナナライブ)」です。

ダウンロード数と売上で「国内ナンバー1」を謳っており、公式サイトによればユーザー数は4500万人に上ります。視聴者やリスナーの年齢層も幅広いことが特徴です。

配信者である「イチナナライバー」は運営から認定される公式認証ライバーと一般ユーザーに分かれます。認証ライバーになると開催されるオーディションや所属事務所に応募でき、スカウトされることも。また、マネタイズも可能で、視聴者からのバーチャルギフトのポイントに応じて収益化できます。

ただし換金率は公表されておらず、ライバーによって変動すると見られています。また、最低換金可能額が設定されていること、換金にはPaypalアカウントが必要な点には留意が必要です。

ツイキャス

ツイキャス

出典:ツイキャス

ライブ配信アプリとして比較的古くから人気があるのがモイ株式会社が運営するツイキャスです。月間で約230万人のアクティブユーザーがいます。

Twitterとの連携に大きな特徴があり、Twitterのアカウントと連携して配信の告知も可能。Twitterですでにつながっている人とのコミュニケーションツールとして活用する人も少なくありません。

ツイキャスでは、視聴者からアイテムを受け取ったり、公開中の録画の再生数に応じて独自の単位「お団子」を集めることで収益化が可能です。

また、「ツイキャスマーケット」では、自身が主催するライブ、舞台、オフ会などのリアルイベントの電子チケットや、デジタルコンテンツ、プレミア配信が視聴できるツイキャスチケットなどを販売・購入できます。ツイキャスマーケットを通じた収益化も可能です。

LINE LIVE

LINE LIVE

出典:LINE LIVE

芸能人やアーティスト、お笑い芸人などのユーザーも多く、オリジナル番組などハイクオリティな配信に特徴があるのが、LINE LIVEです。

視聴者は10代~20代と比較的若年層が多く、LINEとの連携はもちろん誰でも無料で配信できます。友人間・グループ内のみでの配信も可能です。

配信者にコメントやハートを送ってのコミュニケーションや、投げ銭にも対応。ファンは有料ギフトをLINE上のコインで購入して、配信者にプレゼントできるので、投げ銭しやすい(配信者はマネタイズしやすい)ことも特徴です。

Instagram

Instagram

出典:Instagram

Instagramのストーリーズに搭載されている「ライブ」機能は「インスタライブ」と呼ばれ、リアルタイムの動画配信を最大4時間まで行えます。

タレントやアーティストから一般の人まで利用者は多く、幅広い年齢層の視聴者が存在します。ライブ配信を始めると、アプリを利用しているフォロワーに「○○さんがライブ配信をはじめました」と通知されます。

2020年からはマネタイズも可能になり、視聴者は「バッジ」を購入することで、気に入ったクリエーターやビジネスを支援できる仕組みが搭載されました。ただし、基本的にパソコンからはライブ配信ができないため、注意が必要です。

LIVE812

LIVE812

出典:LIVE812

LIVE812は、2020年に始まった新しいライブ配信サービスで、「ライブハチイチニ」と読みます。名前は運営している株式会社MyStarの本社が静岡県焼津市に置かれていることに由来します。

その他のライブ配信アプリのようにリアルタイムで映像を配信し、視聴者とコミュニケーションを取るタイプのサービスではありますが、最大の特徴は「ライブコマース機能」です。

ライブコマースとは、ライブ配信とEコマースシステムをかけ合わせた新しいオンライン販売の形態。つまり、LIVE812のアプリを通じてライブ配信をしながら商品を販売できます。商品の販売は、ライブ配信中でも、ライバー自身のマイページでも可能。購入はクレジットカードか銀行振り込みを選べます。

加えて、投げ銭機能も実装しており、視聴者はコインを購入して任意の数を配信者に送れます。ただし、受けとったコインの還元率は非公表です。

オリジナルのライブ配信アプリ

ライブ配信は、多くの場合上記をはじめとするプラットフォームを活用することがほとんどですが、既存のアプリや自社のサイトにライブ配信システムを組み込んで自作する方法もあります。

たとえば、「動画SDK」を利用するのもその1つ。「SDK」とは、ソフトウェア開発キットのことで、アプリケーションを作成するために必要なプログラムやドキュメントがまとめられた開発者向けツールです。

アプリの開発には高度な知識と経験が求められますが、SDKを用いることで簡単にライブ動画機能を実装できます。自作のアプリなので、投げ銭システムなど使いたい機能に特化したツールの組み込みも可能。アプリ自体をカスタマイズすることで、細かなニーズにもフィットさせられます。

また、視聴者のデータを管理できる点もオリジナルのライブ配信アプリを利用するメリットの1つです。

まとめ

ライブ配信アプリは、いま急速に人気を集めています。配信を始めるきっかけはユーザーによって千差万別ですが、特にマネタイズを念頭に置いている場合には、ユーザー層などとあわせて各アプリの機能差もしっかり調べておく必要があるでしょう。

「ライバー」の活動は急速に広がっており、マネジメント事務所に所属するライバーもいます。マネジメントを事務所に委託することで、自身のリソースをクリエイティビティに集中できます。

活動を効果的に広げていくためにも、各アプリのメリットとデメリットを踏まえた上で、もっとも良いアプリを探してみてください。

ブイキューブ
著者情報ブイキューブ

ブイキューブは映像コミュニケーションの総合ソリューションプロバイダとして、世界中どこにいても働ける働き方・環境の実現を目指しています。創業時よりテレワークを活用し、2016年には総務省「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」に選出されました。

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