大学長 文科省が解任を
通知「不当な処分」と学長

大学の職員らに対しふさわしくない言動があったなどとして、北海道大学が解任を求めていた名和豊春学長について、文部科学省が解任を通知していたことがわかりました。学長は「解任は不当な処分で取り消しの訴えを起こすなどの対応を検討したい」と話しています。

名和学長によりますと、29日、萩生田文部科学大臣の名で自宅に文書が届き、「学長に適さないと判断したことから、6月30日付けで解任する」といった内容の通知だったということです。

名和学長を巡っては、北海道大学が設けた「学長選考会議」が、去年7月、大学の職員らに対し、学長にふさわしくない言動があったなどとして、国立大学法人の学長を任命する権限がある文部科学大臣に解任するよう申し出ていました。

NHKの取材に対し、名和学長は「解任は不当な処分だ。どのような審査の結果この決定をしたのか、説明を求めるとともに、処分の取り消しの訴えを起こすことなどを含めて対応を検討したい」と話しています。

名和学長は、3年前の4月に学長に就任しましたが、体調不良を理由におととし12月から休職していました。

その後、体調は回復したものの、去年7月に大学側が文部科学大臣に解任を申し出たため、いまも復職していないということです。

萩生田文科相「誠に遺憾」

萩生田文部科学大臣は、記者会見で、30日付けで、北海道大学の名和豊春学長に対して解任処分を行ったことを明らかにしました。

そのうえで、萩生田大臣は、「私個人は名和氏と直接面識はないが、今回、北海道大学の選考会議の申し出を重く受け止め、法令に定める手続きにのっとって省内で検討を行い、慎重に判断した。国立大学法人の学長の解任は初めてのことであり、このような事態となったことは誠に遺憾だ」と述べました。

また、「少なくとも選考会というきちんと法的根拠のある会議の中で、代わるべきだと意見が出てきてしまったことは重たいことではないかと思う。これ以上、不正常な状態が北海道大学で続くことのほうが、現役学生たちに与える影響が大きいと判断した」と述べました。

北海道大学広報課「大変重く受け止めている」

萩生田文部科学大臣が30日付けで北海道大学の名和豊春学長の解任を通知したことについて、北海道大学の広報課は、「本学としてはこの事態を大変重く受け止めている。解任に関する経緯など詳細について、あす記者会見を開いて説明したい」とコメントしています。