東京証券取引所「プライム」「スタンダード」「グロース」に再編

東京証券取引所でこれまでの東証1部などが廃止され、「プライム市場」など新たな3つの市場での取り引きがスタートします。世界から投資を呼び込み日本経済の成長につなげることができるかが課題となります。

東京証券取引所はこれまでの1部、2部、新興企業が多いマザーズなどを廃止して、新たにプライム、スタンダード、グロースという3つの市場に再編し、4日、取り引きをスタートします。

国内外から投資の資金を呼び込むことがねらいで、プライム市場ではより成長が期待でき国際的に競争力を持つ企業を集めようと上場基準を1部よりも厳しくしました。

その一方で、これまでの1部上場企業には基準を満たしていなくても改善に向けた計画書を提出すればプライム市場に移行できる措置が用意されたこともあり、1部上場企業の大半がそのままプライム市場に移行する形となりました。

世界の取引所どうしの競争も激しくなり、上場する企業全体の価値を示す時価総額で東証はニューヨークとの差が広がり中国の上海に追い抜かれ、地盤沈下への危機感も高まっています。

新たな市場のスタートをきっかけにねらいどおり世界から投資を呼び込み、日本経済の成長につなげることができるか、課題となります。

「プライム」「スタンダード」「グロース」に再編

東証にはこれまで4つの市場があり、東証1部には2177社、2部には475社、マザーズには432社、ジャスダックには686社が上場していました。

これが新たに3つに再編され、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場となりました。

プライム市場は、より高い成長だけでなく企業統治の面でも高い水準が求められ、いわば“世界で競争できる”企業を集めることを目指しています。1部から8割を超える1839社が移行しました。

スタンダード市場は、プライムと比べ時価総額などは大きくないものの“着実な成長が期待できる”企業を想定しています。1部から330社余りが移るなど、4つの市場から1466社が移行しました。

グロース市場は、高い成長が期待できるものの実績などが乏しく比較的リスクが高いとされる、いわば“新興企業向け”という位置づけです。

マザーズとジャスダックから465社が移行し、4日付けで1社が新たに上場します。

東証の時価総額 NY証券取引所と大きな差

国際取引所連合によりますと、上場企業の発行する株式数と株価を掛け合わせた取引所全体の時価総額は、ことし2月末時点で東証が6兆1000億ドル余りとなってます。

世界トップのニューヨーク証券取引所は26兆1000億ドル余りで、大きな差がついています。

上海の取引所は7兆8000億ドル余りで東京を上回っているほか、香港の取引所は5兆2000億ドル余りと、アジアの市場にも追い上げられる形になっています。