自民 竹下亘 元総務会長
政界引退へ衆院選立候補せず

自民党竹下派の会長を務める竹下亘 元総務会長はみずからの体調を理由に、次の衆議院選挙には立候補せず、政界を引退することになりました。

竹下元総務会長は、みずからの体調を理由に、秋までに行われる衆議院選挙に立候補せず、政界を引退する意向を固めました。

そして、8日、竹下派の幹部が記者会見して、竹下氏のメッセージを代読しました。

この中で竹下氏は「病魔におそわれ、体力・気力が衰え、自信を持って働くことができない状態だ。次の世代の若い人にしっかりとバトンを引き継ぎ、ふるさと日本を背負い続けていただきたい」としています。

また、今後の派閥の運営については「仲間たちとしっかり話し合い、引き続き政治のど真ん中で、汗をかく政策集団であり続けたいと切望する」としています。

竹下派の会長代行を務める茂木外務大臣は「極めて残念だが、体のことであり、判断を重く受け止めなければならない。竹下氏の功績や思いを、まとまって引き継いでいきたい」と述べました。

竹下氏は、衆議院島根2区選出の当選7回で74歳。

竹下登元総理大臣の弟で、平成12年の衆議院選挙で初当選し、これまでに復興大臣や、党の総務会長、国会対策委員長などを歴任しました。

平成30年からは、竹下派の会長を務め、おととし1月には食道がんであることを公表して治療にあたり、その後は政治活動を再開していました。

竹下派では、8日夕方臨時の総会を開いて対応を協議することにしています。

竹下亘元総務会長とは

自民党の竹下亘•元総務会長は、およそ50人の議員が所属する竹下派の会長です。

NHKの記者を経て、兄の竹下登元総理大臣の政界引退に伴い、平成12年の衆議院選挙で初当選しました。

地元の島根県は「竹下王国」とも呼ばれ、保守地盤が強固なことで知られています。

現在当選7回でこれまで復興大臣のほか、党の総務会長や国会対策委員長など要職を歴任しました。

おととし1月には、食道がんであることを公表し、およそ10か月、入院するなどして治療にあたったあと、政治活動を再開していましたが、ことし春ごろから、国会審議や派閥の会合の欠席が続いていました。

愛煙家としても知られる竹下氏は、国会対策委員長当時、受動喫煙対策を強化する法案をめぐり「たばこ大好き人間としては、いかがなものかなという思いをずっと持ち続けている。すべてのエリアで禁煙にすると言われたら、私はどう生きていけばいいのか」と冗談交じりに話していました。

温厚で柔和な人柄で、病気の影響で以前のように声が出なくても、派閥の所属議員の選挙応援に駆けつけるなど、面倒見のよさで慕われていました。