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柳裕也 中日ドラゴンズ 選手会長として優勝を何としても

  • 2024年02月15日

ドラゴンズで選手会長を務める8年目の柳裕也投手はドラフト1位で入団し、これまでに最優秀防御率、最多奪三振のタイトルを獲得。先発ローテーションを担う1人だ。3年連続で規定投球回に達した昨シーズンは打線の援護に恵まれず、わずか4勝に終わった。3年ぶりのふた桁勝利を目指す思いやチームの顔としての覚悟を聞いた。

沖縄でのキャンプ序盤は順調な滑り出し

柳投手は沖縄県北谷町で行われているキャンプで順調なスタートを切っている。3回目のブルペン入りとなった2月6日にはチームで最初の100球を超える131球の投げ込み。意識していたのは同じフォームで投げ続ける「再現性」だ。

タブレットで撮影した映像をチェックしながら、まずはストレートだけを投げ続けた。

柳裕也投手
まだ7、8割かなという感じ。100球投げて100球同じ投げ方をできるくらい徐々にやっていければいいですね。体の状態をみながらですね。  

勝ち運に見放された昨シーズンの序盤

プロ7年目で迎えた2023年のシーズンは、柳投手にとって歯がゆい1年になった。開幕から先発した7試合で勝ち星なし。好投しても打線の援護に恵まれない時期が長く続いたのだ。シーズン初勝利をあげたのは、開幕から約2か月が経過した5月26日だった。

柳裕也投手
最後までどんなことがあっても毎週マウンドに立ち続けることをずっと自分の中心に置いていました。ローテーションを守り切ってシーズンを全うする、そこにプライド持ってやっていました。

苦境脱出の切り札がフォークボール

調子が落ちた去年の夏場。柳投手は苦しい状況を抜け出そうと、フォークボールを持ち球に加えることを決めた。そして習得のためチーム内のピッチャー全員に握り方を聞いて回ったという。一番しっくりきたのが4年目の21歳、高橋宏斗投手の握り方だった。

柳投手にフォークボールの握りを見せてもらった

高橋投手が投げるのはフォークボールより握りが浅いスプリット。柳投手は高校時代に人差し指をけがした影響で、ボールを深く挟めない事情もあった。

沖縄のキャンプでは練習場所を2人で移動する姿が見られた

柳裕也投手
いろんな感覚と照らし合わせました。高橋投手は21歳とまだまだ若いですけど、ポテンシャルがあり、試合で圧倒的なピッチングをする時があります。そういうピッチャーの握り方はすごく参考になりました。

フォークボール効果で圧倒的な投球

フォークボールを投げ始めた去年夏以降の試合で柳投手は進化した姿を見せた。本拠地で行われた8月13日の広島戦では9回を投げてノーヒットに抑える快投。この試合も打線が沈黙したため、勝ち投手にはなれなかったが、最終登板となった9月24日の阪神戦までの7試合をすべて2点以内に抑えた。この間の防御率は1点台。シーズンを通しての成績は4勝11敗と大きく負け越したが、防御率は2点44でリーグ6位とローテーション投手として十分な成績を残したのだ。

キャンプでフォークボールに磨きかける

柳投手はキャンプの第1クールと第2クールでブルペンに計3回入った。投げたのはすべてストレート。キャンプ序盤はフォームを固める時期と考えたからだ。そして第3クール初日となった2月11日の4回目のブルペンでフォークボールを含めた変化球を初めて投げた。投球練習後、柳投手は「まだまだへぼいです」と話し、これから精度を高めていく考えを示した。

柳裕也投手
(フォークボールについては)どう投げたからどう落ちたとか理屈というか、深みがあるようにしたいですね。自分で自信を持って投げられる球になるぐらいまでにいきたい。

仲のいいチームメートと優勝したい

29歳の柳投手はチームの中で年齢的には中堅といえる存在。選手会長を務める自分が年齢で上と下の世代の架け橋になることを心がけている。沖縄のキャンプではフォークボールの握り方を教えてもらった8歳年下の※タカ橋投手と同じ練習グループに入ると、キャッチボールを一緒にしたり、笑顔で話し合ったりする姿が見られた。選手たちの仲の良さは練習での姿から感じられるドラゴンズだが、球団史上初めて2年連続で最下位となるなど低迷し、この12年間、優勝から遠ざかっている。柳投手は簡単ではないことは承知した上で、優勝という目標を掲げ、チームを引っ張っていく覚悟を示した。

柳裕也投手
仲のいいチーム、人がいいチームがいいチームかと言われるとそれがいいチームではないと思います。いいチームというのは勝つチームです。一番喜んでもらえるの勝つことだと思っていますし、勝ってファンの人に喜んでもらいたいですね。優勝しか目指さずにみんなで頑張りたいですし、個人的にはタイトル争いできるくらいキャリアハイ狙う気持ちで頑張りたいです。

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  • 猪飼蒼梧

    名古屋局 記者

    猪飼蒼梧

    入局5年目。去年8月からドラゴンズ担当。小学生のころはテレビで年間100試合以上プロ野球観戦していました。

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