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【今日も完食!グルメ旅 第8回】稲塚貴一アナが食べ歩き

農家の知恵がつまった"豆だご"
  • 2023年09月04日

稲塚貴一アナウンサーが熊本県内各地を食べ歩き、
地域や人の魅力に迫っていく「今日も完食!グルメ旅」
今回は、暑い夏に、農家の皆さんが昔から食べてきたという
「豆だご」をご紹介します。

取材にお邪魔した日は、最高気温の予想が36度!
猛暑の中 農作業していたのは、嘉島町で大豆農家を営む 河原君代(かわはら・きみよ)さん。 
はじめまして!

暑い中、お疲れ様です!
稲塚アナ

今、どんな作業ですか?

河原さん

大きい機械で植えられなかった四隅を、手作業で植え付けているんです。

稲塚アナ

手に持っているの、見せてもらってもいいですか?

河原さん

ハトが悪さをしないように、大豆に着色しています。


嘉島町は 阿蘇から流れ込んだ豊富な地下水が湧き出る“水の里”。
その清らかな水を利用して、毎年1000トンもの大豆を生産し、全国に出荷しています。

取材にお邪魔した7月は、ちょうど種の植え付けの時期でした。

調理開始!

地元の農家の皆さんが、昔から 農作業の合間に食べてきた「豆だご」
シンプルですが、農家の“知恵”が詰まった料理なんです。

▼材料はこちら▼ 

小麦粉・白玉粉・砂糖・塩・大豆

河原さん

嘉島の大地で育った小麦粉、白玉粉、お砂糖に塩。
これだけのシンプルな材料です。

稲塚アナ

そして主役が?

河原さん

すみません、大豆です。

稲塚アナ

一番だいずな大豆を忘れてはいけません!

大豆は10時間~12時間 水に戻して、
15分ほど 硬めに湯がきます

まずは白玉粉を、カップ1杯分の 大豆の煮汁で溶いていきます。

さらにもう一つのボウルで、小麦粉・砂糖・塩を混ぜ合わせます。

河原さん

夏場の、塩分補給ための おやつですので、塩はちょっと多めに!

そこに 先ほどゆで汁で溶いた白玉粉と、大豆をカップ1杯入れます。

河原さん

昔の人はこれを、おみそ汁の おだしにも使っていたんです。

稲塚アナ

この大豆のゆで汁も大事に使います。いや、だいずに使います!

耳たぶほどの柔らかさになるまで、しっかりこねて・・・

食べやすい大きさに仕上げたら
最後に 沸騰したお湯に入れて完成!なんですが・・・

稲塚アナ

はぁ〜~

河原さん

暑いのに、熱い料理を(笑)

尋常じゃない暑さに、私も参ってしまいました…

涙か汗か わからない
稲塚アナ

ちょうど今の暑い時期に 大豆を植えてらっしゃって・・・

河原さん

暑い時なんです。

稲塚アナ

本当に畑の暑いところでお仕事するから、
こういう栄養補給をしないとですね。

沸騰させたお湯で じっくりゆでたら、おいし~い豆だごのできあがり!

いただきます!

ぷるぷる!持っただけで歯応えを予感させます。
では、いただきます!

塩気が程よく、おいしい!

河原さん

夏場のおやつですので、塩分を豊富にしないことには、体がもたないですから。

稲塚アナ

食べ応えがあるおやつで、おなかにもすごくたまるし、元気が出ますね! 
暑い中、お仕事もっと頑張ろうって 気持ちになりそうです。

そしてもう一つ紹介してくれたのが「干しこる豆
納豆に 塩と小麦粉をまぶして、天日干ししたものなんだそうです。

農作業をする時は、なんと ペットボトルに入れて食べながら、塩分補給するんですって。
熱中症にならないように、昔からの知恵ですね。

大切な思い出がつまった「豆だご」

こうしたおやつを食べると、河原さんは 懐かしい風景がよみがえるといいます。

河原さん

今は汎用コンバインの大きいので、バーッと刈りますけど
昔はそれを鎌で刈っていたんです。一株ずつ。
鎌で刈ったり、引き抜いたりして、逆さまに立ててずっと並べていくんですね。

河原さんが嫁いだころ、まだ手作業で行われていた農業。
その合間で食べるおやつの時間は、何物にも代えがたい 至福の時だったといいます。

河原さん

合間の“小昼”っていうのは、大切だったんですよ。
昔は、水路のあちこちに木があったじゃないですか。柳が植わってたりとか。 
そういう休憩場所を皆さん確保しているんですよね。 
そこでおやつタイムをしていたんですね。

稲塚アナ

そういう思い出と セットのおやつなんですね。

河原さん

本当に昔は、情緒がありましたよ!
合間の30分でも話しながら 疲れをとって、
おなかも満たして、じゃあ「あとひと頑張りするか」って農作業の続きをする感じですよね。

地域に古くから伝わる食材と文化を、河原さんは次の世代にも伝えていきたいと考えています。

河原さん

若い方々に、少しでも良いものを食べていただきたい。
子どもたちに、純粋な農作物を食べていただきたいですね。
大地の恵みをありがたく とっていただきたい
というのを 教えられるか分からないけど、教えていきたいですね。

農家の知恵と大切な思い出がつまった「豆だご」
河原さん、ごちそうさまでした!

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